マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はドラギ総裁の追加緩和示唆や原油価格の反発で上昇 日本市場は欧米株高や円安で反発か
NYダウ: 15882.68 △115.94 (1/21)
NASDAQ: 4472.06 △0.37 (1/21)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は、ECB理事会後の会見でドラギ総裁が追加緩和を示唆したことや、WTIの先物価格が一時30ドル台を回復した原油価格の上昇を好感して大きく反発しました。朝方は小幅に下落する場面もあったダウ平均ですが、徐々に上げ幅を広げるとお昼過ぎには270ドル高余りまで買われ節目の16,000ドルを回復する場面もみられました。午後には戻り待ちの売りに押されて弱含む場面もあったダウ平均ですが、結局115ドル高の15,882ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も0.3ポイント高の4,472ポイントとなっています。
2.経済指標等
1月の米フィラデルフィア連銀製造業景況感指数はマイナス3.5と前月から改善し市場予想を上回りました。また、週間の新規失業保険申請件数は前週比1万人増の29万3千件となり市場予想を上回って悪化しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち7業種が上昇しました。そのなかでもエネルギーが3%近い上げとなったほか、電気通信サービスも2%を上回る上昇となっています。一方で公益事業が変わらずとなり、ヘルスケアと金融が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では好決算を発表した通信大手ベライゾン・コミュニケーション(VZ)に加え、ホームデポ(HD)が3%を超える上げとなりました。また、シェブロン(CVX)やナイキ(NKE)、ゼネラル・エレクトリック(GE)が2%を上回る上昇となっています。さらにインターネットで動画をライブ配信するサービスを手掛けるユーストリームを買収したと発表したIBM(IBM)なども買われました。一方でゴールドマン・サックス(GS)やユナイテッドヘルス・グループ(UNH)に加え、証券会社がiPhoneの販売予測を下げたアップル(AAPL)などが下げています。ダウ平均構成銘柄以外では債務と支出の削減計画を発表したパイプライン運営のキンダー・モーガン(KMI)が急伸し、厳しい事業環境が続くとの見通しを示した鉄道輸送最大手のユニオン・パシフィック(UNP)が大きく下げています。なお、取引終了後に決算を発表したクレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス(AXP)は2015年10-12月期が減収減益となり時間外で一段安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は株高や原油価格の反発を受けてリスク回避の姿勢が後退し安全資産の米国債には売りが出て0.05%高い2.03%となりました。ドル円はリスクオフムードの後退で安全通貨とされる円が売られ117円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
欧米株高やドル円の円安を受けて本日の日本市場は反発してのスタートが予想されます。本日も時間外の原油価格やドル円、中国市場などの外部環境の動向に神経質な展開が続きそうですが、こうしたなかで日経平均が昨日の下落分を一気に取り戻すような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)