マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は日本市場の急伸や原油価格の回復で大幅続伸 日経平均は17,000円台を回復か
NYダウ: 16093.51 △210.83 (1/22)
NASDAQ: 4591.18 △119.12 (1/22)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は日本市場の急伸や欧州株高、さらにWTIの先物価格が32ドル台を回復した原油価格の上昇などを好感して大幅続伸となりました。取引開始直後から大きく上昇したダウ平均は250ドル高余りまで買われると一旦弱含みお昼前に上げ幅を半分以上縮める場面もありました。しかし、午後に再び上げ幅を広げると210ドル高の16,093ドルと節目の16,000ドルを3日ぶりに回復して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は119ポイント高の4,591ポイントとなっています。バイオ製薬関連株が買われたことでナスダック総合株価指数の上昇率は2.7%とダウ平均の1.3%を大きく上回る格好となっています。
2.経済指標等
1月の米製造業PMI速報値は前月から改善し52.7となり市場予想を上回りました。また、12月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比14.7%増の546万戸と3カ月ぶりにプラスとなり市場予想を上回りました。伸び率は過去最大でした。昨年12月の米景気先行指標総合指数は前月比0.2%低下し、3カ月ぶりのマイナスとなり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は10業種全てが上げました。なかでもエネルギーが4%を超える上昇となったほか、情報技術と電気通信サービスが2%を上回る上げとなり、金融も2%近く上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。なかでもアップル(AAPL)が5%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。株価が昨年8月に付けた52週安値の水準に迫り、値ごろ感が出るなかアナリストの買い推奨もあって大幅高となりました。また、原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)が3%を上回る上昇となり、マイクロソフト(MSFT)やゴールドマン・サックス(GS)、JPモルガン・チェース(JPM)、ウォルト・ディズニー(DIS)も3%以上の上げとなっています。一方で2016年利益見通しが失望となり目標株価の引き下げが相次いだアメリカン・エキスプレス(AXP)が12%以上下げ急落しました。ゼネラル・エレクトリック(GE)やIBM(IBM)も小幅に下げています。ダウ平均構成銘柄以外では石油サービスのシュルンベルジェ(SLB)は赤字決算となったものの、追加の人員削減や自社株買いが好感され大幅高となり、天然ガスのウィリアムズ・カンパニーズ(WMB)も急伸しています。
5.為替・金利等
長期金利は株高原油高でリスクオンとなるなか安全資産の米国債が売られ0.02%高い2.05%となりました。こうしたなかドル円は一段と円安が進み一時118円80銭台を付ける場面もありました。朝方は118円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高や円安を受けて本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の17,000円を回復しそうですが、17,000円を上回ってどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)