市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

リスクオフムード後退し日経平均続伸 今週は米日の金融政策の発表に注目

日本株式市場

リスクオフムード後退し日経平均続伸 今週は米日の金融政策の発表に注目

1.概況
本日の日経平均は152円高の1万7110円と続伸し4日ぶりに1万7000円の節目を回復しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。中でもマザーズ指数は2.8%の上昇と大幅に続伸しています。先週末の米国市場は日欧株式市場や原油価格の上昇を好感して上昇、リスクオフムードがやわらいだことを受けドル円も118円台後半まで円安に振れました。これらの外部環境の好転を受け、日経平均は187円高の1万7145円と続伸して寄り付きました。日経平均は先週末に900円超の上昇となっていたことから利益確定売りが出たのか、寄り付き後は徐々に上げ幅を縮めると9時半頃には一時マイナスに転じました。その後前日終値近辺でもみ合った後、11時頃からは上げ幅を広げて前場は235円高とほぼその時点の高値で引けました。日経平均は後場に入ると再び上げ幅を60円あまりまで縮めましたがその後は持ち直し、結局寄り付きの水準をやや下回っての大引けとなりました。東証33業種は全て上昇、中でも食料品が4.3%、鉱業が3.4%とそれぞれ大きく上昇しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップのトヨタ(7203)は2円高とほぼ横ばいでした。自動車各社は富士重(7270)、マツダ(7261)がともに0.3%高、ホンダ(7267)は0.1%安となるなどやや冴えない値動きとなりました。売買代金2位に入ったソフトバンクグループ(9984)は2.4%高と続伸し、4日ぶりに5,000円の節目を回復しています。売買代金4位に入ったJT(2914)は7.4%の大幅高となりました。主力商品の「メビウス」を値上げすると発表したことが今後の業績拡大に寄与するとの見方が出て買われたようです。その他材料が出たところでは、サイバーエージェント(4751)が7%近い大幅高となりました。外資系証券が投資判断を引き上げたことが好感されました。また、外資系証券が業績予想を上方修正したアダストリアホールディングス(2685)は9.4%の大幅上昇となりました。一方、先週末の大引け後に今期の業績予想を大幅に下方修正した日本通信(9424)は19%近く売られました。今期の売上高予想を従来の68億円から43億円に、営業利益予想を11億円の黒字から15億円の赤字に大きく引き下げています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
世界的にリスクオフムードが後退したことを受け、日経平均は今年に入って初めての続伸となりました。今週は日本企業の決算発表が本格化するとともに、米日の金融政策の発表に注目が集まります。日本時間28日の午前4時に発表される連邦公開市場委員会(FOMC)では、足元のマーケットの混乱を受け今後の利上げペースに対して声明文でどのような姿勢が示されるのか、29日お昼ごろに発表される日銀の金融政策決定会合では追加金融緩和の有無に注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海総合指数は続伸

1.概況
本日の上海総合指数は前日比21ポイント高(0.8%)の2,938ポイントと続伸しました(年初来で17.0%安の水準)。また、中国の創業板指数(日本のマザーズ市場に相当)も9ポイント高(0.4%)の2,158ポイントと小幅に続伸しました。更に、香港のハンセン指数は日本時間16時時点で297ポイント高の1万9377ポイントと大幅に続伸しています。

中国市場では、前週末に中国国務院(政府)が開いた常務会議で鉄鋼や石炭業界の過剰生産を解消する方針を改めて強調したことが好感され、上海総合指数は上昇して寄り付きました。石炭と鉄鋼株が物色され前場は高値圏で揉みあいとなりましたが、午後に売りが優勢となると前場の上昇分を吐き出す格好となって一時マイナスに転じる場面もありました。しかし、直ぐに持ち直すと結局、上海総合指数は続伸して取引を終えました。

香港市場では、先週末の欧米株高に加え、原油価格の回復も好感されハンセン指数は大幅に続伸して始まりました。その後、上海総合指数がマイナスになると上げ幅をやや縮める場面もありましたが、概ね高値圏でも揉み合う展開となっています。日本時間16時時点で、商工業株指数や金融事業株指数、公益事業株指数、不動産株指数などが上昇しています。なかでも商工業株指数が2%超上昇しているほか、金融事業株指数も1%余りの上げとなっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、先週末に原油価格が大幅続伸となったことから、中国海洋石油(CNOOC、0883)や中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)などのエネルギー関連株が大きく買われ、相場全体を押し上げています。また、中国中鉄(チャイナ・レールウェイ・グループ、0390)は22日大引け後に中国航空技術国際控股有限公司との企業連合(コンソーシアム)でエジプトの首都カイロと郊外の工業区を結ぶ鉄道建設プロジェクトを受注したと発表したことが好感され大幅に上昇しています。

一方で、商業銀行の中国農業銀行(1288)は22日大引け後に「転売条件付き手形事業で39億1500万元の損失を計上する恐れがある」と発表したことで売りが膨らみ、昨年来安値を更新しています。また、華潤ビール控股(チャイナ・リソーシズ、0291)は目標株価の引き下げを受けて6%近く値下がりしています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の上海総合指数は買いが先行したものの、上値は限定的となりました。したがって投資家のセンチメントは依然として弱気のままだといえます。明日も薄商いが続くとみられることから方向感に欠ける展開となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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