市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均は大幅高で17,000円を再び回復 明日未明に発表の米FOMCの結果に注目

日本株式市場

日経平均は大幅高で17,000円を再び回復 明日未明に発表の米FOMCの結果に注目

1.概況
本日の日本市場は大きく反発しました。昨日の米国市場でダウ平均が原油先物価格の上昇や、一部企業の好決算などを好感して280ドル余り上昇したことを受けて240円高の16,949円で寄り付いた日経平均は、買い気配でスタートした銘柄が寄り付くなか17,000円台を回復すると、さらに上値を伸ばし10時過ぎには533円高の17,242円まで買われました。寄り付きの買い一巡後にやや伸び悩んだ日経平均ですが、前場は427円高の17,136円で取引を終えました。後場の日経平均は水準を切り下げて寄り付きました。昼休み時間中に中国株が一段安となったことで警戒感が出て前場の引け値から90円近く値を下げて17,047円でスタートした日経平均は17,000円を下回る場面もありましたが、大きく割り込むことなく切り返しました。14時半に前場の高値まであと30円弱の水準まで戻した日経平均は結局455円高の17,163円と大きく反発して高値圏で引けています。また、新興市場の東証マザーズ指数と日経ジャスダック平均も反発し、東証マザーズ指数は3%近い上昇となっています。

2.個別銘柄等
トヨタ(7203)とスズキ(7269)がインドなど新興国での小型車需要の開拓を共同で進めるための提携交渉に入ったとの報道を受けて、トヨタとスズキがともに買われました。特にスズキは買いを集め11%を超える上昇となっています。また、トヨタがダイハツ工業(7262)を完全子会社化する方針を固めたとも報じられダイハツ工業も急伸しました。この報道を受けてダイハツ工業は朝から売買停止となりましたが、10時半頃に売買が開始されると買い気配でスタートし、その後も気配を切り上げて14時半前にストップ高で寄り付きました。結局ダイハツ工業は引けでストップ高とならなかったものの、16%を上回る上昇で取引を終えています。また、ソフトバンクグループ(9984)が大幅高となりました。昨日の米国市場で傘下のスプリント(S)が決算発表を受けて急伸したことが好感され節目の5,000円を回復しました。一方でアップル(AAPL)の決算を受けて関連銘柄には上値の重いものが目立ちました。iPhoneの販売台数が微増にとどまったことや、2016年1-3月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことなどから時間外でアップルが下落したこともあってアルプス電気(6770)が下げたほか、上昇した村田製作所(6981)やTDK(6762)もマイナスとなる場面がみられました。さらに中国事業の苦戦や訪日客向け腕時計の販売の伸び悩みなどで2015年10-12月期の営業利益が前年同期比5割近く減ったようだとの報道を受けてセイコーホールディングス(8050)が一時14%安まで売られました。シチズンホールディングス(7762)にも連想売りが出て2%余り下落しています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の日経平均は昨日の下落分を取り戻し17,000円の節目を回復しました。日経平均が17,000円を回復するとテクニカルとバリュエーションの両面でみられた極端な異常値はほほ解消されます。したがってここからさらに戻りを試すには追加の材料が必要となりそうです。明日の未明(日本時間28日午前4時)に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や、明後日の昼過ぎに発表となる日銀の金融政策決定会合の結果でさらなる支援材料が出てくるかどうかで目先は方向感が決まりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)


中国株式市場

上海総合指数は小幅続落

1.概況
本日の上海総合指数は前日比14ポイント安(0.5%)の2,735ポイントと小幅に続落しました(年初来で22.7%安の水準)。一方、中国の創業板指数(日本のマザーズ市場に相当)は3ポイント高(0.2%)の1,997ポイントと小幅に反発しました。更に、香港のハンセン指数は日本時間16時時点で261ポイント高の1万9122ポイントと大幅に反発し節目の1万9000ポイントを回復しています。

中国市場で上海総合指数は昨日に急落したこともあって買いが先行しました。しかし、朝方に発表された12月の中国の工業企業利益の減少率が前回より拡大したことや、春節を前に株式市場への投資資金が細っているとの見方も出て、暫くしてマイナス圏に沈むと下げ幅を広げ節目の2,700ポイントを割り込みました。午後に入り切り返すと下げ幅を急速に縮め、一時プラスに転じる場面もありましたが、引けにかけてやや売りが優勢となり、結局上海総合指数は小幅安で取引を終えました。

香港市場では、昨日の欧米株高と原油価格の反発の流れを受けてハンセン指数は大幅に反発し節目の1万9000ポイントを回復して始まりました。しかし、本土市場の下げ幅拡大が嫌気されたほか、今夜の米FOMCの政策発表を見極めたいとの思惑もあって買いが続かず、上げ幅を縮めると後場には一時1万9000ポイントを割り込む場面もありました。その後、時間外の原油価格の上昇や本土市場の持ち直しを受けて上げ幅を再び広げる展開となっています。日本時間16時時点で、商工業株指数や金融事業株指数、不動産株指数が揃って大幅に上昇しているほか、公益事業株指数も僅かに上げています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、原油価格の上昇を受けて中国海洋石油(CNOOC、0883)をはじめ、昆侖能源(クンルン・エナジー、0135)や中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)など、エネルギー関連株が軒並み上昇しています。また、カジノの金沙中国(サンズ・チャイナ、1928)は昨日の目標株価の引き上げが引き続き好感され6%超買われています。さらに、保険の友邦保険控股(AIAグループ、1299)も3%超値上がりしています。

一方で、値嵩株のインターネットの騰訊(テンセント・ホールディングス、0700)が小幅ながら下落しています。また、原油価格の上昇がコスト増に繋がることから国泰航空(キャセイ・パシフィック・エアウェイ、0293)も軟調な推移となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
本日の上海総合指数は冴えない工業企業利益などを受けて一時2,700ポイントを割り込んだものの、結局は回復し下げ渋り底固さもみせました。しかし、リスクオフムードは依然として強く、春節の前に薄商いのなかで不安定な相場が続きそうです。

また、明日のハンセン指数は今夜のFMOCの政策決定を睨みながらの展開となりそうですが、仮に声明文がハト派的となれば、安値圏にあるハンセン指数は本格的な反転も期待できそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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