マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は原油価格の上昇で反発 日本市場は昼過ぎに発表となる日銀の金融政策決定会合の結果に注目
NYダウ: 16069.64 △125.18 (1/28)
NASDAQ: 4506.68 △38.51 (1/28)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は反発しました。サウジアラビアから協調減産の提案があったとするロシアのエネルギー相の発言が伝わりWTIの原油先物価格が一時34ドル台を付け大幅高となったことでダウ平均は取引開始後しばらくして140ドル高余りまで買われましたが、石油輸出国機構(OPEC)が協調協議を否定したことで原油価格が弱含むとダウ平均もマイナスに転じ80ドル安まで売られました。しかし、ダウ平均は午後に持ち直すと取引終盤には160ドル高近くまで買われる場面もありました。結局ダウ平均は125ドル高の16,069ドルと節目の16,000ドルを回復して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も38ポイント高の4,506ポイントとなっています。
2.経済指標等
昨年12月の耐久財受注は前月比5.1%減の2254億2200万ドルとなり市場予想を下回って2014年8月以来1年4カ月ぶりの大幅な落ち込みとなりました。また、設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財の受注額も4.3%減となっています。週間の新規失業保険申請件数は前週比1万6千人減の27万8千件で市場予想をやや下回って改善しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちヘルスケアを除く9業種が上げました。なかでもエネルギーが3%を超える上昇となったほか、公益事業、情報技術、一般消費財・サービス、生活必需品が1%を上回る上げとなっています。
4.個別銘柄動向
四半期決算は振るわなかったものの、2016年の利益見通しが予想を上回った上回りキャタピラー(CAT)が4%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が3%以上上げ、エクソンモービル(XOM)も堅調となりました。さらに10-12月期決算で売上高や純利益が過去最高となったフェイスブック(FB)や、決算が大幅増収増益だったスポーツ衣料のアンダー・アーマー(UA)が急伸しています。一方で2016年12月通期の業績見通しが市場予想を下回った電子商取引のイーベイ(EBAY)や、2015年10-12月期決算がドル高による為替差損が響き減収減益となった医薬品・医療機器大手のアボット・ラボラトリーズ(ABT)が急落しています。なお、取引終了後に決算を発表したアマゾン・ドット・コム(AMZN)は利益が市場予想を大幅に下回り時間外で売られています。
5.為替・金利等
長期金利は米耐久財受注額が大きく減ったことで米国債が買われ0.02%低い1.98%となりました。ドル円は118円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高を受けて本日の日本市場は反発してのスタートが予想されます。こうしたなか本日はお昼過ぎに発表となる日銀の金融政策決定会合の結果が注目されます。追加緩和となれば一段と買いが膨らみそうですが、反対に現状維持となれば失望売りが優勢となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)