市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は日銀の追加緩和を受けた世界的な株高の流れを受けて大幅続伸 日本市場は先週末の流れを引き継ぎ大幅高か

NYダウ: 16466.30  △396.66 (1/29)
NASDAQ: 4613.95  △107.28 (1/29)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は日銀のマイナス金利導入といった追加緩和を受けた世界的な株高の流れを受けて大幅続伸となりました。取引開始直後から上昇したダウ平均は230ドル高近くまで買われると一旦伸び悩みましたが、弱含むことなく堅調に推移すると午後に一段高となりました。結局ダウ平均は396ドル高の16,466ドルと高値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数107ポイント高の4,613ポイントとなっています。

2.経済指標等
2015年10-12月期の米実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比0.7%増と7-9月期の2.0%増から成長率が大きく鈍化し市場予想も下回りました。また、昨年12月の米仮契約住宅販売指数は前月比0.1%上昇して106.8となりましたが、市場予想は下回りました。1月のミシガン大学米消費者態度指数確報値も92.0で速報値から1.3ポイント低下し市場予想を下回っています。一方で1月の米シカゴ購買部協会景気指数は55.6と前月の42.9から大きく改善し市場予想を上回っています。2015年10-12月期の米雇用コスト指数は前期比で0.6%上昇し市場予想と一致しています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は10業種全てが上げました。なかでも情報技術が3%を超える上昇となり、素材や金融も3%近く上げています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。なかでも決算が増益だったクレジットカードのビザ(V)が7%を超える上昇となったほか、四半期決算で1株利益が市場予想を上回ったマイクロソフト(MSFT)も6%近く上げ、この2銘柄でダウ平均を50ドル以上押し上げました。また、米食品医薬品局(FDA)がC型肝炎治療薬を承認したと発表した製薬のメルク(MRK)が3%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では会社分割を発表した事務機器のゼロックス(XRX)が買われました。一方、決算で1株利益が市場予想に届かなかったアマゾン・ドット・コム(AMZN)が大幅安となっています。

5.為替・金利等
長期金利は日銀によるマイナス金利政策の導入を受けた日欧の長期金利低下を受けて0.06%低い1.92%となりました。ドル円は日銀による追加緩和の決定を受けて円売りが加速し一時1ドル121円70銭を付ける場面もありました。朝方は121円台前半での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
欧米株高に加え、ドル円も円安となっていることから本日の日本市場も先週末の日銀の追加緩和を好感した流れを引き継ぎ大きく上昇してスタートしそうです。日経平均は週足の一目均衡表の雲の下限を抜けてきそうですが、週末にこの雲の下限を上回って終われるかが今週のポイントとなりそうです。また、本日は中国の1月の製造業PMIが発表されます。10時に政府の製造業PMIが、そして10時45分に財新の製造業PMIが発表されますが、ともに前月から小幅に悪化する見通しで、マーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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