マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の流れを引き継ぎ日経平均大幅高 今週は日本企業の決算発表と米国の経済指標に注目
日本株式市場
先週末の流れを引き継ぎ日経平均大幅高 今週は日本企業の決算発表と米国の経済指標に注目
1.概況
本日の日経平均は346円高の1万7865円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。また、マイナス金利導入に伴う好利回り選好の流れから、東証REIT指数が3.8%の大幅上昇となっています。先週末の欧米市場が日銀のマイナス金利導入を好感して大幅高となったことを受け、日経平均は181円高の1万7699円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を広げましたがその後は利益確定売りが出たのかいったん伸び悩む場面がありました。ただ、11時前に発表された中国の財新PMIが前月から改善し市場予想を上回ると日経平均は再び上げ幅を拡大し、結局前場を315円高とその時点の高値で取引を終えました。日経平均は後場に入ってやや上げ幅を縮めるも堅調に推移すると、14時過ぎから一段高となり一時は上げ幅を390円近くまで広げました。そのまま高値圏での大引けとなった日経平均は、先週末と合わせた2日間で820円以上の値上がりとなりました。東証1部の売買代金は3兆8519億円と高水準で、業種別にはその他金融業や鉄鋼など30業種が上昇しました。一方、銀行業、空運業、海運業の3業種が下落しました。中でも銀行業は6.6%の大幅安となりました。マイナス金利導入に伴う利ざや縮小が嫌気されているとみられます。
2.個別銘柄等
先週末に引き続きメガバンク3行はそれぞれ大きく売られたものの、その他の売買代金上位銘柄は概ね堅調な値動きとなりました。東証1部の売買代金トップのトヨタ(7203)は1.9%高と続伸しました。売買代金4位のソニー(6758)は先週末の大引け後に発表した4-12月期の決算発表で営業利益が前年同期比132%増と好調だったことが好感されて、12.4%の大幅上昇となりました。また、同じく先週末に行った決算発表が堅調だった村田製作所(6981)は15.7%の大幅上昇となりました。NTTドコモ(9437)は、4-12月期の営業利益が16.8%増と好調だったことに加え、発行済株式数の5.6%に当たる2億2000万株を上限とする自社株買いを実施すると発表したことが好感され14.2%の大幅上昇で昨年来高値を更新しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日銀のマイナス金利導入に伴うリスクオフ後退の流れが継続し、銀行や生保など一部の業種を除いて日本株は大幅高となりました。今週は日本企業の決算発表が多数行われることに加え、米国でISM景況感指数や雇用統計など重要な経済指標の発表が行われます。引き続きリスクオフの巻き戻しの動きが継続するか注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海総合指数は大幅反落
1.概況
本日の上海総合指数は前日比48ポイント安(1.8%)の2,688ポイントと大幅に反落し、再び節目の2,700ポイントを割り込みました(年初来で24.0%安の水準)。また、中国の創業板指数(日本のマザーズ市場に相当)は1ポイント安(0.1%)の1,992ポイントと小幅に反落しました。更に、香港のハンセン指数は日本時間16時時点で108ポイント安の1万9574ポイントと反落しています。
中国市場では、朝方発表された中国の1月の製造業PMIが49.4と市場予想を下回って前月から悪化したことに加え、1月の非製造業PMIも53.5と前月から悪化したことから、上海総合指数は下落して始まりました。その後じり安の展開となり、前場は節目の2,700ポイントを割り込んで引けました。後場は一時切り返すと2,700ポイントを回復する場面がありましたが、再び売りが優勢となり、一時3%安近くまで売られました。引けにかけて、やや買い戻されたものの、結局上海総合指数は2,700ポイントを割り込んで取引を終えました。なお、財新製造業PMIが48.4と市場予想を上回って前月から改善し、中国人民銀行が本日3営業日連続で公開市場操作(オペ)を通じて100億元を供給したものの、相場への影響は限定的でした。
香港市場でハンセン指数は小高く寄り付いたものの、冴えない中国製造業PMIを受けて直ぐにマイナス圏に沈みました。その後、財新製造業PMIの小幅改善を好感し一時プラスに切り返す場面もみられましたが、買いが続かず下げ幅を広げる展開となりました。後場のハンセン指数は安値圏での揉み合いとなっています。日本時間16時時点では金融事業株指数をはじめ、商工業株指数、不動産株指数、公益事業株指数の4業種全てが下げています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、中国石油天然気(ペトロチャイナ、0857)が2015年12月本決算で大幅減益となる見通しと発表したことから大幅に下落しています。中国海洋石油(CNOOC、0883)や昆侖能源(クンルン・エナジー、0135)などのエネルギー株も連れ安となっています。また、先週末に大きく上昇した金融株が利益確定売りに押されています。商業銀行の中国工商銀行(1398)や中国建設銀行(チャイナ・コンストラクション、0939)などに加えて、保険の中国平安保険(ピンアン・インシュアランス、2318)や中国人寿保険(チャイナライフインシュアランス、2628)も値下がりしています。
一方で春節を控えて食品の中国蒙牛乳業(チャイナ・メンニウ、2319)が3%超上昇しているほか、中国旺旺控股(ワンワン・ホールディング、0151)も2%余り上げています。さらに、パソコンの聯想集団(レノボ・グループ、0992)が明後日の決算への期待から買いを集め大幅に上昇しています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
本日は中国の冴えない製造業PMIを受けて経済減速懸念が再び意識され、上海総合指数とハンセン指数はともに下落しています。このため投資家の買い意欲は一段と低下しているとみられ好材料に反応しにくい状況が続きそうで、明日も春節(旧正月)休暇を前に薄商いとなりそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)