マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ダウ平均は朝方大きく売られるも持ち直し小幅安 日本市場は利益確定の売りで反落スタートか
NYダウ: 16449.18 ▼17.12 (2/1)
NASDAQ: 4620.37 △6.41 (2/1)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は小幅に反落したものの、ナスダック総合株価指数は小幅続伸となりました。中国の製造業PMIの悪化や原油価格の下落を嫌気して下げてスタートしたダウ平均は取引開始後しばらくして160ドル安余りまで売られました。しかし、その後徐々に持ち直すとフィッシャーFRB副議長の発言を受けて追加利上げ観測がやや後退したことで下げ幅を縮め取引終盤には小幅なプラスに転じる場面もありました。買いが続かず引けにかけて再び売りが優勢となったダウ平均は結局17ドル安の16,449ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も0.8ポイント安の1,939ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6ポイント高の4,620ポイントとなっています。
2.経済指標等
1月の米ISM製造業景況感指数は0.2ポイント上昇の48.2となり、景気判断の境目となる50を4カ月連続で割り込み市場予想を下回りました。また、12月の米建設支出は前月比0.1%増となったものの、市場予想は下回っています。さらに昨年12月の個人消費支出は前月比横ばいとなり市場予想を下回りました。個人所得は同0.3%増で市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちエネルギーと金融、資本財・サービスの3業種が下げ、なかでもエネルギーは2%近い下落となりました。一方で7業種が上げ、公益事業が1%を上回る上昇となったほか、電気通信サービスも1%近く上げています。
4.個別銘柄動向
私募形式の増資を検討していると報じられたツイッター(TWTR)が大幅高となりました。また、2015年10-12月期の決算が大幅な増益となった医療保険のエトナ(AET)が堅調となり、同業のアリーア(ALR)を総額58億ドルで買収すると発表した医薬品・医療機器大手の米アボット・ラボラトリーズ(ABT)も買われました。アリーアは買収額にさや寄せする格好で急騰しています。一方で天然ガス大手のクエスター(STR)を総額44億ドルで買収すると発表したエネルギー大手のドミニオン・リソーシズ(D)が財務負担を意識した売りで下げています。なお、取引終了後に決算を発表したグーグルを傘下に持つアルファベット(GOOG)が好決算を受けて時間外で買われています。
5.為替・金利等
長期金利は持ち高調整を目的とする売りが出て0.03%高い1.95%となりました。ドル円はやや円高に振れ121円近辺での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均が小幅に下げたことや、ドル円もやや円高となっていることから本日の日本市場は反落でのスタートが予想されます。しかし、日銀の追加緩和を受けて市場のセンチメントが好転していることから、日経平均が2日で800円以上も上げていることで利益確定の売りも出やすいものの下値は限定的となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)