マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は30ドルを割り込んだ原油安で大幅下落 日本市場は米国株安で続落か
NYダウ: 16153.54 ▼295.64 (2/2)
NASDAQ: 4516.95 ▼103.42 (2/2)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は、中東やロシアなどの主な産油国による協調減産の観測が後退したことによりWTIの原油先物価格が30ドルを割り込んだことで大幅下落となりました。取引開始直後から大きく下落したダウ平均は270ドル安余りまで売られると一旦下げ渋りましたが、午後にはさらに下げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に340ドル安まで下落する場面もあったダウ平均は結局295ドル安の16,153ドルと続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も103ポイント安の4,516ポイントと4日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
1月の米新車販売台数は年率換算で1758万台となり市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち公益事業を除く9業種が下げました。なかでもエネルギーが3%を超える下落となったほか、金融と情報技術が2%以上下落し、資本財・サービスと一般消費財・サービスも2%近い下げとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はデュポン(DD)を除く29銘柄が下げました。ゴールドマン・サックス(GS)が5%近く下落したほか、原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)も4%を超える下落となりました。さらにボーイング(BA)、インテル(INTC)、キャタピラー(CAT)、JPモルガン・チェース(JPM)、マイクロソフト(MSFT)も3%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では15年10-12月期の売上高や1株利益が市場予想を上回った米化学大手のダウ・ケミカル(DOW)が5%以上上げています。ダウ・ケミカルと合併予定のデュポンも5%を超える上昇となっています。また、2015年10-12月期決算が増収増益で1株利益が市場予想を上回った物流大手のUPS(UPS)が堅調で、売上高が市場予想を上回った高級服飾のマイケル・コース・ホールディングス(KORS)が急伸しています。さらに予想を上回る好決算を発表したグーグルを傘下に持つアルファベット(GOOGL)が買われ、時価総額でアップル(AAPL)を抜きトップとなる場面もありました。1月の新車販売が落ち込んだフォード・モーター(F)は大幅安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は原油価格の下落や株安を受けて安全資産の米国債が買われ前日比0.11%低い1.84%となりました。ドル円は119円台後半での推移となっています
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が大幅安となったことから本日の日本市場も続落でのスタートが予想されます。こうしたなか利益確定の売りが出やすいことから日経平均が節目の17,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。本日は10時45分に1月の財新中国非製造業PMIが発表され注目されます。前月が50.2だった同指数が仮に景気判断の境目となる50を割り込むことになれば、中国の景気減速懸念が高まりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)