市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は利上げ観測の後退で上昇 日本市場は一段と進んだ円高を嫌気し続落か

NYダウ: 16416.58  △79.92 (2/4)
NASDAQ: 4509.56  △5.32 (2/4)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は上昇しました。原油価格の上昇や冴えない経済指標を受けての利上げ観測の後退などから午前中に150ドル高近くまで買われたダウ平均は、原油価格が弱含むと上げ幅を縮め昼前にはマイナスとなる場面もありました。しかし、下値は限定的で米雇用統計の発表を控え午後に様子見となり方向感に欠ける展開となったダウ平均は結局79ドル高の16,416ドルと続伸して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も5ポイント高の4,509ポイントとなり3日ぶりの反発となっています。

2.経済指標等
週間の新規失業保険申請件数は前週比8千件増の28万5千件となり市場予想を上回る悪化となりました。また、2015年10-12月期の非農業部門の労働生産性速報値は年率換算で前期比3.0%低下と3四半期ぶりにマイナスとなり市場予想を下回りました。昨年12月の製造業受注高は前月比2.9%減の4564億9200万ドルで、2カ月連続でのマイナスとなり市場予想を下回っています。民間設備投資の先行指標となるコア資本財は4.3%減と2カ月連続の減少でした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち4業種が上げ、素材が2%を超える上昇となったほか、資本財・サービスも1%を上回る上げとなっています。一方で生活必需品や一般消費財・サービス、ヘルスケアなど6業種が下げ、生活必需品は1%近い下落となっています。

4.個別銘柄動向
財務悪化への懸念から足元で下げ基調を強めていた資源関連株に買い戻しが入り鉱業大手のフリーポート・マクモラン(FCX)が急伸し、石油採掘のコンソル・エネジー(CNX)や石炭のピーボディ・エナジー(BTU)も大きく上げました。一方で2015年10-12月期は赤字幅が拡大した石油大手のコノコフィリップス(COP)が大幅安となったほか、2015年10-12月期決算の売上高が市場予想を下回った衣料品大手のラルフローレン(RL)が急落しました。また、2015年10-12月期決算が赤字となった小型カメラのゴープロ(GPRO)も大きく下げ、2016年12月期通期の1株利益見通しが市場予想に届かなかったたばこ大手のフィリップ・モリス(PM)が軟調でした。会員制卸売のコストコ・ホールセール(COST)も低調だった1月の既存店売上高が嫌気され下げています。

5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い1.84%となりました。ドル円は利上げ観測の後退で一段と円高が進み116円台後半での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は上昇したものの、ドル円が一段と円高となっていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。日経平均は節目の17,000円を割り込みそうで、本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうです。なお、本日は取引終了後にトヨタ(7203)が決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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