マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場リスク回避姿勢強まり大幅続落 日本市場は米国株安に加え、円高もあり大幅反落か
NYダウ: 16027.05 ▼177.92 (2/8)
NASDAQ: 4283.75 ▼79.39 (2/8)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はWTIの先物価格が30ドルを割り込んだ原油価格の下落や、一部のエネルギー関連企業に対する信用不安が出てリスク回避の姿勢が強まり大幅続落となりました。欧州株安を受けて取引開始直後から大きく下げたダウ平均は節目の16,000ドルを割り込んで昼前に節目の400ドル安余りまで売られると、その後も16,000ドルを下回って軟調な展開が続きました。しかし、引けにかけて買い戻しが入り急速に持ち直したダウ平均は結局177ドル安の16,027ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も79ポイント安の4,283ポイントとなり連日で昨年来安値を更新しています。
2.経済指標等
米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した1月の労働市場状況指数(LMCI)は0.4と前月の2.3から悪化し2015年4月以来の低水準となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちエネルギーを除く9業種が下げました。なかでも素材、金融が2%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスも2%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ビザ(V)が5%を超える下落となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、欧州の金融株の下落を受けてゴールドマン・サックス(GS)も4%を上回る下げとなっています。さらに石油・天然ガス開発大手のチェサピーク・エナジー(CHK)が3割以上下げ急落しました。債務再編のため法律事務所大手を雇ったと報じられ経営の先行き不透明感が強まり売りが膨らみました。一時は5割を超える下落となる場面もみられました。一方でリスクオフとなり安全資産の金が買われるなか ヤマナ・ゴールド(AUY)やキンロス・ゴールド(KGC)、ゴールドコープ(GG)などの鉱業株が大幅高となりました。また、ウエアラブルカメラ製造のゴープロ(GPRO)が急伸しました。米マイクロソフト・テクノロジー・ライセンシングが特定のファイル・ストレージや他のシステム技術について、ゴープロと新たな特許ランセンス契約で合意したと発表したことが好感されました。教育大手のアポロ・エデュケーション・グループ(APOL)も急騰しています。投資グループに総額11億ドルで身売りすることで合意したと発表したことが好感されました。
5.為替・金利等
長期金利は安全資産の米国債が買われ0.08%低い1.75%となりました。ドル円は原油安と米国株安を受けてリスクオフとなり安全通貨とされる円が買われ一時は115円10銭台まで円高が進みました。朝方は115円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円が115円台を付け円高となっていることから本日の日本市場は大幅反落でのスタートが予想されます。日経平均は下げ幅を広げ下値模索の展開となりそうで、節目の16,500円を割り込む場面もありそうです。本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)