マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
世界的なリスクオフ強まり日経平均918円の大幅安
日本株式市場
世界的なリスクオフ強まり日経平均918円の大幅安
1.概況
本日の日経平均は918円安の1万6085円と大幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は揃って大幅に下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が一時400ドル以上下落、ドル円が115円台まで円高に振れるなど世界的なリスクオフムードが一層強まったことを受け、日経平均は337円安で寄り付きました。日経平均は寄り付き後も大きく下げ幅を広げると、9時半頃には若干下げ渋る場面もありましたがその後再び下げ幅を拡大し、ドル円が114円台まで円高が進んだこともあって前引けにかけて一段安となり結局前場を836円安で引けました。後場に入ってもほとんど反発することなく下げ幅を広げた日経平均は、一時は978円安の1万6025円まで下げる場面がありました。引けにかけてやや持ち直しましたが、そのまま本日の安値圏での大引けとなりました。東証1部の値上がり銘柄数はわずか27と全面安の商状で、東証33業種全てが下落しました。中でも証券商品先物と銀行業がいずれも7%を超える大幅下落となりました。東証1部の売買代金は3兆556億円と、3兆円を超える商いとなりましたが日経平均が1,000円近く下落した割にはそれほど大きくない印象です。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップのトヨタ(7203)が6%超の下落、2位の三菱UFJ(8306)が9%近く下落など、市場の混乱度合いを示す投げ売り状態となりました。こうしたなか売買代金5位に入った料理レシピサイトを運営するクックパッド(2193)は9.3%高と昨日に続いて大幅高となりました。引き続き創業者と現経営陣の争いの収束期待から買われました。また、売買代金12位に入ったディズニーランド等を運営するオリエンタルランド(4661)は2.5%高としっかりでした。2016年4月からチケット料金を値上げすると発表し、今後の業績改善期待から買われました。昨日2015年12月期の業績発表を行ったヤマハ発動機(7272)は18%超の大幅安となりました。2016年12月期の業績見通しを営業減益見込みと発表したことが失望売りを呼びました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日本市場はパニック売りとなりました。世界的にリスクオフムードが強まっており、何か経済危機の到来を怖れているかのような下げ方です。株価がずっと下がり続けることはありませんが、こうした状況下では現金比率を高め嵐が過ぎ去るのをじっと待つのが選択肢の1つと言えるかもしれません。株式を購入するとしても、業績安定度が高い内需関連銘柄から選定することが望ましいと思われます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)