市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国株安と急速な円高で日経平均は1年4カ月ぶりに節目の15,000円割れ

日本株式市場

米国株安と急速な円高で日経平均は1年4カ月ぶりに節目の15,000円割れ

1.概況
本日の日本市場は大幅続落となりました。日本市場が休場中に米国市場でダウ平均がトータルで350ドル以上下落したうえに、10日のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて世界経済への不安が高まり、FRBによる利上げ観測が後退したことでドル円が11日に一時110円台を付けるなど急速に円高が進んだことが嫌気されました。287円安の15,426円でスタートした日経平均は、売り気配で始まった銘柄が寄り付くなかさらに下げ幅を広げ、取引開始後15分で15,000円を割り込み700円安余りまで売られました。寄り付きの売りが一巡すると節目の15,000円を割り込んだこともあって買い戻しが入り日経平均は15,000円を回復し250円余り下げ幅を縮め15,200円台まで持ち直しましたが、上値は重く11時過ぎに再び15,000円を割り込み朝方の安値を下回って下げ幅を850円近くまで広げました。前場を834円安の14,874円で終えた日経平均は、昼休み中に黒田日銀総裁が安倍首相と意見交換のために首相官邸に入ったと伝わり、政策期待から15,000円を回復して後場の取引をスタートしました。その後15,000円を上回って推移していた日経平均ですが、前場同様に15,200円台で上値を押さえられると引けにかけて15,000円を割り込みました。結局、日経平均は760円安の14,952円と1年4カ月ぶりに節目の15,000円を割り込んで昨年来安値を更新して本日の安値圏で取引を終えています。また、新興市場でも日経ジャスダック平均と東証マザーズ指数が大幅続落となり、東証マザーズ指数は8%を超える下げとなりました。

2.個別銘柄等
急速に円高が進んだことで為替感応度が高い自動車株が軒並み売られ昨年来安値を更新しました。トヨタ(7203)や日産(7201)、ホンダ(7267)が大幅安となったほか、マツダ(7261)や富士重工業(7270)は一時10%前後の下げとなりました。トヨタの時価総額は約1年4カ月ぶりの20兆円割れとなっています。昨日の欧米市場で金融株に売りが膨らんだこともあってメガバンク3行や証券株など日本でも金融セクターが売られました。メガバンクはこのところの下げがきつかったこともあって下げ渋る場面もみられましたが、三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)が2%を超える下げとなり、三井住友フィナンシャルグループ(8316)とみずほフィナンシャルグループ(8411)は3-4%の下落となりました。メガバンク3行はともに昨年来安値を付けています。かんぽ生命(7181)は小幅な下げに止まったものの、一時公開価格の2,200円を下回る場面もありました。決算を発表した銘柄ではDMG森精機(6141)がストップ安となりました。前期が9カ月の変則決算で単純に比較できませんが2016年12月期が前年の同期間と比べて大幅減益となることが嫌気されました。一方で好決算を発表したすかいらーく(3197)が急伸しました。決算に加え、増配や株主還元策の拡充が好感されました。また、ほとんどの電子部品が売られるなかで京セラ(6971)が大幅高となりました。KDDI(9433)が京セラから自社株を買い付けたことが材料視されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は10日に1月21日に付けた直近安値を割り込んだことでダブルボトムの形成に失敗し底値を模索する展開で、本日の日経平均は節目でPBR(株価純資産倍率)がほぼ1倍となる15,000円をも維持できませんでした。したがってテクニカル面でも、バリュエーション面でも売られすぎ感があるものの、引き続き下値への不安は強いといえます。こうしたなか週明けの寄り付き前(8時50分)には10-12月期の日本のGDPが発表されます。2四半期ぶりのマイナス成長が予想されていますが、マーケットのセンチメントが大きく悪化しているなかでの発表だけに警戒されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)


中国株式市場

上海市場は休場 ハンセン指数は続落

上海総合指数:春節のため休場
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):18,363.63(-182.17)

1.概況
<中国本土市場>
上海市場は春節のため休場でした。

<香港市場>
香港のハンセン指数は日本時間16時時点で続落となっています。欧米株安や日本株の下落などを嫌気し1月21日に付けた昨年来安値を下回って大幅安でスタートしたハンセン指数は、その後下げ幅を縮める場面もみられました。しかし、18,500ポイントを前に上値は重く軟調な展開が続いています。日本時間16時時点で1%近い下げとなっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
欧米市場で金融株に売りが膨らんだことで香港市場でもHSBC(00005)やバンクオブチャイナ(中国銀行・03988)などの金融株に軟調なものが目立ちました。チャイナコミュニケーション(中国通信服務・00552)やインターネットサービス大手のテンセント(騰訊控股・00700)なども下げています。一方でマカオのカジノ収入の底入れ期待からギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)などのカジノ株が上昇したほか、クンルンエネルギー(昆侖能源・00135)といった石油大手も買われました。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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