市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均、一時は300円超の上昇も終値は31円高と小幅高

日本株式市場

日経平均、一時は300円超の上昇も終値は31円高と小幅高

1.概況
本日の日経平均は31円高の1万6054円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場はプレジデントデーに伴い休場でしたが、ドラギECB総裁が改めて3月の追加金融緩和を示唆したことを受け欧州の主要株価指数は大幅高となりました。ドル円は114円台半ばまで円安に振れましたが、日経平均は昨日の大幅高の反動で利益確定売りが先行し173円安の1万5849円で寄り付きました。ただ、外部環境が好転したことから日経平均は売り一巡後に徐々に下げ幅を縮めると9時半頃にプラスに転じました。その後再びマイナスに転じる場面もありましたが、10時半頃に再びプラスに転じるとその後は上げ幅を拡大しました。前場を144円高とほぼその時点の高値で引けた日経平均は、後場から一段高となると13時半頃に本日の高値となる318円高まで上昇しました。2日間の上げ幅が1,400円近くまで広がって警戒感も出たのか、日経平均は引けにかけて徐々に上げ幅を縮めると、結局小幅高で取引を終えました。東証33業種は保険業や不動産業、鉄鋼、証券商品先物など19業種が上昇しました。金融関連など景気敏感セクターの上昇が目立った一方、食料品、電気・ガス業、陸運業などディフェンシブセクターが売られました。

2.個別銘柄等
5000億円を上限とした大規模な自社株買いを行うと発表したソフトバンクグループ(9984)が東証1部の売買代金トップとなりました。大幅高で寄り付くと前引けにかけて上げ幅を広げ、結局ストップ高となって日経平均を82円引き上げました。売買代金2位のトヨタ(7203)は6円安と小幅に反落しましたが、3位から5位に入ったメガバンク3行は引き続き買い戻しが入り揃って3%前後上昇しました。材料が出たところでは、子会社の三菱航空機が米航空機リース会社から小型ジェット旅客機「MRJ」を20機受注することで基本合意したと発表した三菱重工業(7011)は4.7%高と買われました。また、最大300億円の自社株買いを行うと発表したHOYA(7741)も3%近く上昇しました。一方、昨日の大引け後に平成27年12月期の決算と今期の業績予想を発表したキリンホールディングス(2503)は、今期の営業利益予想が1250億円の黒字と前期比ほぼ横ばいで市場予想を下回ったことから売られ9%近く値下がりしました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は小幅に続伸しましたが、ソフトバンクグループの大幅高の影響が大きく実質的には小幅安といったところです。ただ、本日の日本市場では金融や鉄鋼、機械など景気敏感セクターの買い戻しが継続しました。マーケットのセンチメントを計るうえで、明日以降も同様のセクターの動向が注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は大幅反発 ハンセン指数は続伸

上海総合指数:2,836.57(+90.37)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19,144(+226.37)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅に反発しました。大幅下落が心配された春節明けの昨日の上海総合指数が結局小幅安で取引を終えたことで投資家の過度な警戒感が後退するなか、李克強首相が国務院(政府)常務会議で景気・市場対策をとる可能性を示唆したことが好感され、上海総合指数は反発して寄り付きました。その後、貸付残高増加額が単月ベースで過去最大となるなど1月の金融統計が全て市場予想を上回ったことや、中国人民銀行が公開市場操作(オペ)を通じて300億元の資金を提供したことなども好感され、上海総合指数は節目の2,800ポイントを回復してさらに上げ幅を広げました。結局、上海総合指数は3%を超える上昇となりほぼ高値引けとなっています。

<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で大幅に続伸しています。昨日の欧州株高や原油価格の上昇などを好感し節目の1万9000ポイントを回復して始まったハンセン指数は、中国の金融統計の上振れや中国本土市場の上昇などを受けて上げ幅を広げ一時2%高近くまで買われました。その後、上値が伸び悩むと後場に入って利益確定売りが出て上げ幅を縮めたものの、堅調な推移が続いています。日本時間16時時点で金融事業株指数や商工業株指数、不動産株指数が大幅に上昇する一方、公益事業株指数が下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、中国の好調な金融統計を受けてインダコマシャルバン (中国工商銀行・01398)やコンストラクションバ (中国建設銀行・00939)などの中国系銀行株が大幅に上昇しています。また、原油価格が続伸していることからペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)が6%超上げるほか、シェンホアエネルギー(中国神華能源・01088)も3%以上に上昇するなど、エネルギー関連株が賑わっています。さらに、中国政府の鉄道投資拡大への期待が高まるなか、チャイナレールウェイ (中国中鉄・00390)やCRRC (中国中車・01766)といった鉄道関連株も物色されています。

一方で、前日の冴えない決算発表が嫌気され商業銀行のバンクイーストアジア (東亜銀行・00023)が3%超売られています。また、食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)も大きく下げています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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