市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均218円安と反落し1万6000円割れ

日本株式市場

日経平均218円安と反落し1万6000円割れ

1.概況
本日の日経平均は218円安の1万5836円と反落しました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが、新興市場のマザーズ指数は1.8%高で3日続伸となりました。昨日の米国市場でダウ平均は200ドル超上昇した一方、ドル円は114円ちょうど近くまで円高に振れるなど強弱材料が入り混じるなか、日経平均は19円安と小安く寄り付きました。ただ、日経平均はすぐにプラスに転じると10時頃には一時160円高まで上昇し本日の高値をつけました。114円40銭程度まで円安に振れていたドル円が113円台まで円高に振れると、日経平均は上げ幅を縮小し、10時半頃にはマイナスに転じました。前場の日経平均はその後は概ねマイナス圏での推移となり、結局26円安での前引けとなりました。ドル円がさらに円高に振れるなどの悪材料を受け、日経平均は後場寄りから一段安となりました。ほぼ一本調子で下げ幅を広げた日経平均は、13時半過ぎに本日の安値となる422円安をつけました。その後日経平均は引けにかけて下げ幅を縮めると、結局218円安での大引けとなりました。東証33業種は情報通信業と空運業の2業種のみ上昇しました。一方、6%を超える下落となった鉱業など31業種は下落しました。東証1部の売買代金は3兆1136億円と3兆円を上回る活況でした。

2.個別銘柄等
一昨日の引け後に大規模な自社株買いを発表し、昨日ストップ高となったソフトバンクグループ(9984)は本日も6%近く上昇し、東証1部の売買代金トップとなりました。一方、売買代金2位のトヨタ(7203)から7位のソニー(6758)まで揃って下落しました。メガバンク3行が2-3%の下落となったほか、ファーストリテイリング(9983)は5%近く下落し、日経平均を60円以上引き下げました。材料が出たところでは、自動車用に世界最高水準となる高温に耐えられる部品を開発したと報じられた村田製作所(6981)は、4.1%高と買われました。スマートフォン向け部品に代わる新たな成長ドライバーとして期待されているようです。また、自社株買いの発表を行った企業の堅調な値動きが目立ちました。ドラッグストアを展開するキリン堂ホールディングス(3194)が2.1%高となったほか、挙式や披露宴を手がけホテル運営も行っているツカダ・グローバルホールディング(2418)も5.1%高となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
取引開始直後は堅調な推移となった日経平均ですが、まもなく勢いを失うと後場に下げ幅を広げ、結局1万6000円を割り込んでの大引けとなりました。また、昨日堅調だった金融や鉄鋼などの景気敏感セクターは本日は売られており、マーケットが本格底入れとなったのかどうかはまだ不透明な状況と言えそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は続伸 ハンセン指数は反落

上海総合指数:2,867.34(+30.77)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):18,961.64(-160.44)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は続伸しました。中国人民銀行や国家発展改革委員会などが昨日の引け後に企業のM&A(合併・買収)や海外進出を金融面で支援する政策措置を公表しましたが、上海総合指数は小幅に下落して寄り付きました。その後は昨日の大幅な上昇に対する利益確定売りと、3月初旬の両会(全国政治協商会議・全国人民代表大会)開催に伴う政策期待からの買いが交錯するなか、昨日の終値を挟んで揉み合う展開となりました。上海総合指数は後場に入ると徐々に買いが優勢となり上げ幅を拡大して結局ほぼ高値引けで1%余り上昇しました。

<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で節目の1万9000ポイントを割り込んで反落しています。昨日の米国株の上昇を受けて続伸して始まったハンセン指数は、一時は1%近く上昇しましたが原油安や本土市場が上げ幅を縮めたことが嫌気され、下落に転じました。その後は下支えとして意識される1万9000ポイントを挟んで揉み合う展開となっています。日本時間16時時点で、金融事業株指数や、商工業株指数、不動産株指数、公益事業株指数などが軒並み下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、中国当局が銀行の不良債権に対する引当金の比率を現行の最低150%から120%程度まで引き下げる方針と伝わり、インダコマシャルバンク (中国工商銀行・01398)やコンストラクションバンク(中国建設銀行・00939)などの中国系銀行株は買いが先行したものの、利益確定売りに押され小幅に下落しています。また、原油価格の反落を受けてクンルンエネルギー(昆侖能源・00135)が3%超下落したほか、ペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)やシノック(中国海洋石油・00883)なども大きく売られています。

一方、中国政府の鉄道投資拡大への期待が高まるなか、レールウェイコンスト (中国鉄建・01186)が1%超値上がりしています。また、カジノのサンズ・チャイナ(金沙中国・01928)やギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)も1%超上昇しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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