市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

リスクオフ後退で日経平均は大幅反発

日本株式市場

リスクオフ後退で日経平均は大幅反発

1.概況
本日の日経平均は360円高の1万6196円と反発し、1万6000円を回復しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。イランが主要産油4カ国の原油生産水準凍結合意に対し支持を表明したことや、連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨がハト派的な内容だったことを受け、昨日のダウ平均は250ドル超上昇しました。リスクオフムードが後退したことを好感し、日経平均は301円高の1万6138円と反発して寄り付きました。まもなく上げ幅を500円近くまで広げた日経平均ですが、9時半頃から徐々に上げ幅を縮めて一時は280円高となりました。ただ、そこが本日の安値となるとその後は徐々に上げ幅を広げ、結局前場は390円高となりました。後場に入っても堅調な推移が続いた日経平均は14時半頃に本日の高値をつけ上げ幅は500円を超えましたが、その後はやや上げ幅を縮めての大引けとなりました。東証33業種のうち30業種が上昇しました。中でも石油石炭製品や鉱業、卸売業といった原油価格動向が業績に影響を与えやすい業種が上昇率上位に並びました。一方、空運業は0.8%安となっています。東証1部の売買代金は2兆7012億円と依然として活況の目安とされる2兆円を大きく上回っているものの、今月に入って2番目の少なさとなりました。

2.個別銘柄等
大規模な自社株買いの発表を好感し大幅高が続いていたソフトバンクグループ(9984)は、売買代金2位のトヨタ(7203)に2倍以上の差をつけて東証1部の売買代金トップとなりましたが、4日ぶりに反落しました。一方トヨタから売買代金7位のファナック(6954)までは総じて上昇しました。リスクオフが後退しディフェンシブセクターからの資金シフトが起きたのか、KDDI(9433)、NTT(9432)、NTTドコモ(9437)はいずれも下落しました。また、原油価格の上昇を受け大手商社が軒並み買われました。三菱商事(8058)が8.6%高となったほか、三井物産(8031)も5%高、住友商事(8053)も4.6%高などとなっています。一方、昨日の大引け後に平成27年12月期の業績発表を行ったブリヂストン(5108)は2.1%の逆行安となりました。今期の営業利益予想が前期比0.5%増とほぼ前期から横ばいで、市場予想を下回ったことから売られました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は大幅反発となりました。原油の生産調整に対し産油国の協調的な姿勢が出てきたことや、FOMCの議事要旨で今後の金融政策に対する不安感が後退したことでリスクオフが後退したものとみられます。原油安と米国の金融政策というマーケットの大きな懸念2つが好転したことは非常にポジティブですが、ドル円が113円台で推移しているなどマーケットがリスクオンになりきれていないところもあり、依然として下値への警戒が必要な情勢が続くとみられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は小幅反落 ハンセン指数は反発

上海総合指数:2,862.89(-4.45)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19,306.63(+382.06)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は3日ぶりに小幅反落となりました。上昇してスタートした上海総合指数ですが、昨日と一昨日の2日間で4%超と大幅に上昇していただけに利益確定の売りに押され、前場に一時マイナスに転じました。しかし、総じて弱い内容となった物価統計を受けて追加緩和期待が高まったほか、3月初旬の両会(全国政治協商会議・全国人民代表大会)開催に伴う政策期待も根強く、暫くして持ち直すとその後は小幅高で揉み合う展開となりました。引けにかけ利益確定の売りが出て再びマイナス圏に沈んだ上海総合指数は結局、小幅に反落しほぼ横ばいで取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で大幅反発となっています。昨日の欧米株高の流れに加え、米FOMC議事要旨を受けて米利上げ観測が後退したことも好感され、ハンセン指数は節目の1万9000ポイントを回復して寄り付くと、一時2.7%高まで上昇しました。その後ハンセン指数は本土市場の伸び悩みを受けて上げ幅を縮める場面もみられましたが、すぐに買い戻されると高値圏で揉み合う展開となっています。日本時間16時時点で金融事業株指数、商工業株指数、不動産株指数、公益事業株指数の4業種全てが大幅高となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面高となっています。中国政府の鉄道投資拡大への期待が高まるなか鉄道関連のチャイナレールウェイ (中国中鉄・00390)やレールウェイコンスト (中国鉄建・01186)が大幅に続伸しています。CRRC (中国中車・01766)も買われています。また、中国石油大手のシノペック (中国石油化工・00386)はコスト削減のため4油田の操業停止を発表したことが好感され3%超上昇しています。ペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)やシノック(中国海洋石油・00883)といったエネルギー関連株も原油価格の上昇を受けて大きく上げています。さらに、米利上げ観測の後退でサンフンカイプロパ (新鴻基不動産・00016)などの香港系不動産株も堅調に推移しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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