マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は利益確定の売りで下落 日本市場は円高もあり反落か
NYダウ: 16413.43 ▼40.40 (2/18)
NASDAQ: 4487.54 ▼46.53 (2/18)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は、原油価格の伸び悩みやウォルマート・ストアーズ(WMT)の冴えない決算などが重石となり4日ぶりの反落となりました。ダウ平均は原油価格の上昇を好感して買いが先行したものの、前日まで3日間で大きく上昇していたことで利益確定の売りが出やすかったことや、石油在庫統計を受けて原油価格が弱含んだこともあって上値が伸び悩むと前日終値を挟んで上下60ドル前後の範囲で一日を通して揉み合う展開となりました。結局ダウ平均は40ドル安の16,413ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も46ポイント安の4,487ポイントとなっています。
2.経済指標等
2月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数はマイナス2.8と6カ月連続でマイナスとなったものの、前月から改善し市場予想は上回りました。また、先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比7千件減の26万2千件となり増加を見込んでいた市場予想を下回って改善しました。1月の米景気先行指標総合指数は123.2と前月から0.2%低下し市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちエネルギーやヘルスケア、一般消費財・サービスなどの8業種が下げ、エネルギーは1%近い下落となりました。一方で公益事業と電気通信サービスが上昇し、ともに1%以上の上げとなっています。
4.個別銘柄動向
四半期決算で売上高が市場予想に届かなかったうえ、業績見通しを引き下げたことが嫌気されたウォルマート・ストアーズが3%安となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。米食品スーパー大手ホールフーズ・マーケット(WFM)など他の小売り株の一角にも売りが広がっています。また、最終損益が赤字となったアイルランドの製薬ペリゴ(PRGO)が急落したほか、四半期決算が減収減益だったホテルのスターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイド(HOT)も売られました。一方で取引開始前にヘルスケア関連のデータ分析を手掛ける企業を買収すると発表したIBM(IBM)が5%高となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。さらに中国企業への身売りで合意した電子・情報機器の販売を手掛けるイングラム・マイクロ(IM)が急伸しています。なお、取引終了後に決算を発表した半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)が決算を好感した買いから時間外で大きく上げています。
5.為替・金利等
長期金利は前日比0.08%低い1.74%となりました。ドル円は円高に振れ113円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円が円高に振れていることから本日の日本市場は反落でのスタートが予想されます。日経平均は再び節目の16,000円を割り込みそうですが、16,000円を割り込んだところで押し目買いが入り下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)