市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均143円高と反発 内需ディフェンシブセクターを中心に買われる

日本株式市場

日経平均143円高と反発 内需ディフェンシブセクターを中心に買われる

1.概況
本日の日経平均は143円高の1万6111円と反発して1万6000円を回復しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。先週末の米国市場は主要指数が高安まちまちで支援材料になりにくく、ドル円は112円台半ばまで円高に振れたことから日経平均は115円安の1万5851円と続落して寄り付きました。150円安まで下げ幅を広げた日経平均ですが、すぐに切り返すと9時半前にはプラスに転じました。日経平均はドル円が113円台まで円安に振れたこともあって10時頃から上げ幅を広げ始め、まもなく220円高と本日の高値をつけました。その後やや上げ幅を縮め前場を92円高で終えた日経平均は、後場寄りから再び上げ幅を広げるとその後は概ね高値圏での値動きとなり、結局143円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は活況の目安とされる2兆円をわずかに上回る2兆581億円と今年に入って最低となりました。業種別には原油安を受け空運業が4.4%高となったほか、水産・農林業、食料品、陸運業など内需ディフェンシブセクターの上昇が目立ちました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップには引き続きソフトバンクグループ(9984)が入り、0.1%高と3日ぶりに反発しました。一方トヨタ(7203)は0.3%安と小幅に続落しました。メガバンク3行も揃って下落しましたが、みずほ(8411)が0.4%安と小幅な下げにとどまった一方で、三井住友(8316)は2.5%安、三菱UFJ(8306)は1.8%安と下げ方に差がでました。材料が出たところでは、ボウリングやカラオケなどの複合レジャー施設を展開するラウンドワン(4680)が8%高となりました。大手証券が投資判断を引き上げたことが好感されました。また、スマートフォン向けゲームなどを手がけるgumi(3903)は子会社を通じて今後の成長が期待されているVR(仮想現実)やAR(拡張現実)に投資するベンチャーキャピタルに出資すると発表し、ストップ高まで買われました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
円高が進行しましたが、日経平均は売り一巡後に反発し1万6000円の節目を回復しました。ただ、買われている銘柄を見ると内需ディフェンシブセクターが中心で、まだまだマーケットはリスクオフから脱しきれていないとみられます。今週末の26日から27日にかけて、中国で20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開催されます。足元のマーケットの混乱や原油安等について議論が行われる見通しで、金融安定化に向けて世界的に協調的な姿勢が打ち出されるか注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場とハンセン指数は共に反発

上海総合指数:2,927.18(+67.16)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19,412.47(+126.97)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は中国の証券監督当局の中国証券監督管理委員会(証監会)のトップが異例の更迭となったことや、一部証券会社で信用取引に対する融資基準が緩和されたことなどが好感され大幅に反発しました。上昇して始まった上海総合指数はしばらくしてさらに上げ幅を広げると節目の2,900ポイントを回復し、後場には一時2.6%高まで買われる場面もありました。引けにかけても買いの勢いが衰えなかった上海総合指数は結局、高値圏で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で反発しています。中国の証監会トップの更迭などを受けて買い優勢で始まったハンセン指数は、本土市場の上昇が好感され1%以上上昇する場面もありましたが、26-27日に中国・上海で開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の結果を見極めたいとのムードもあり上値は伸び悩んでいます。日本時間16時時点で金融事業株指数をはじめ、不動産株指数、公益事業株指数、商工業株指数の4業種全てが上昇しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、バンクイーストアジア(東亜銀行・00023)が会長による11万株の購入が報じられ一時12%超急伸する場面がありました。また、先週末に発表された北京、上海、広州及び深センの四都市を除く不動産購入に対する減税策を受けてニューワールド・デベロップ(新世界発展・00017)やハンルンプロパティー(恒隆不動産・00101)などの不動産株も物色されています。さらに証監会トップの更迭を受けてチュウシンショウケン(中信証券・06030)やハイトンセキュリティ(海通証券・06837)が2%超上昇しています。先週末の引け後に発表した2015年12月期決算が大幅な減収減益だったカジノのサンズ・チャイナ(金沙中国・01928)は売りが先行しましたが、プラスに転じて小幅高となっています。
一方で、2015年通期決算が市場予想に届かなかったことでエイチエスビーシー (HSBC・00005)が2%超下落しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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