マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均円高を嫌気し反落 明日は2月末権利銘柄の権利付き最終日
日本株式市場
日経平均円高を嫌気し反落 明日は2月末権利銘柄の権利付き最終日
1.概況
本日の日経平均は59円安の1万6052円と反落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数なども反落しました。昨日の米国市場で原油高が好感され主要指数が揃って大きく上昇したことを受け、日経平均は119円高と続伸して寄り付きました。寄り付き後も上げ幅を広げた日経平均は9時半頃に239円高と本日の高値をつけました。その後は112円台後半で推移していたドル円が112円台前半まで円高に振れたことを受け、日経平均は急速に上げ幅を縮めました。11時前に一時マイナスに転じた日経平均は結局前場を15円高で終えました。後場寄りから再びマイナスに転じた日経平均は、109円安の1万6001円と1万6000円を割り込む寸前まで下落しましたがそこからは徐々に持ち直しました。その後日経平均は再びプラス圏に浮上する場面もありましたが、結局59円安と小幅に下落して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆2925億円と昨日から2000億円あまり増加しました。東証33業種は鉄鋼が3%高となったほか、非鉄金属や保険業など計8業種が上昇しました。一方、水産・農林業や不動産業、情報通信業など25業種が下落しました。
2.個別銘柄等
ソフトバンクグループ(9984)が本日も東証1部の売買代金トップとなり、2%高と続伸しました。売買代金は2位のトヨタ(7203)も小幅に反発しました。特段の材料は出ていないとみられますが、売買代金6位のKDDI(9433)が3.9%安、NTT(9432)が3.6%安、NTTドコモ(9437)が4.2%安となるなど通信各社が売られました。材料が出たところでは、支援先企業を明日にも台湾の鴻海精密工業に決定すると報じられたシャープ(6753)は一時6.4%高まで買われ、終値では3.5%高となっています。なお、報道についてシャープは現時点で決定した事実はないと発表しました。また、上限1000万株の自社株買いを発表した電線のフジクラ(5803)は6.7%高と買われました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
一時は239円高まで買われた日経平均ですが、円高が重しとなり結局反落となりました。ドル円は110円台前半で定着しつつあり、この水準ではなかなか本格的な買いが入りづらいようです。明日は2月末権利確定銘柄の権利付き最終日となっています。小売を中心に株主優待を設定している企業も多く、権利取りの動きが見られるか注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場とハンセン指数は共に反落
上海総合指数:2,903.33(-23.84)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19,456.46(-7.63)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は反落しました。昨日に大きく上昇しほぼ1カ月ぶりの高値水準を回復していたことで下落して始まった上海総合指数は、利益確定売りに押され下げ幅を徐々に広げるとしばらくして節目の2,900ポイントを割り込みました。その後、後場に一段安となった上海総合指数は一時2%近く下げる場面もみられましたが、引けにかけて持ち直すと節目の2,900ポイントをなんとか回復して取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で小幅反落となっています。昨日の米国株高と原油価格の反発を受けて買いが先行したものの、上海総合指数の下落などが重石となり上げ幅を縮めると下げに転じ0.7%安まで売られる場面もみられました。後場に入って持ち直したハンセン指数は前日の終値を挟んで揉み合う展開となっています。日本時間16時時点で金融事業株指数がわずかに上昇する一方で、不動産株指数と公益事業株指数、商工業株指数の3業種が小幅に下落しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、原油価格の上昇からシノック (中国海洋石油・00883)をはじめ、シェンホアエネルギー (神華能源・01088)やペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)などが堅調に推移しています。冴えない業績が引き続き嫌気されたエイチエスビーシー (HSBC・00005)は売りが先行したものの、後場にプラスに転じると小幅に上昇しています。さらに、大幅減益の決算を発表したにも関わらずニューワールド・デベロップ(新世界発展・00017)が不動産セクターを物色する流れを受けて上昇しています。
一方で昨日に減益見通しを発表した食品メーカーのティンイー (康師傅・00322)は一時12%近く下落する場面もありましたが、下げ幅を縮め6%余りの下落となっています。食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)も連れ安となっています。また、昨日に大きく買われたバンクイーストアジア(東亜銀行・00023)が1%超下落しているほか、チュウシンショウケン(中信証券・06030)も利益確定の売りに押され下げています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)