市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は原油安を嫌気し反落 日本市場は米国株安を受けて続落か

NYダウ: 16431.78  ▼188.88 (2/23)
NASDAQ: 4503.58  ▼67.02 (2/23)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は、サウジアラビアの石油鉱物資源相が減産をしない考えを示したことや、イランの石油相がサウジやロシアなどが提案する増産凍結への参加に否定的な発言をしたことによる原油価格の下落を嫌気し反落しました。下落して始まったダウ平均は昼前に190ドル安余りまで下げるとその後も安値圏で推移しました。取引終盤に220ドル安近くまで売られたダウ平均は結局188ドル安の16,431ドルと反落して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も67ポイント安の4,503ポイントと3日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等
1月の中古住宅販売戸数は年率換算で前月比0.4%増の547万戸と2カ月連続の前月比プラスとなり市場予想を上回りました。一方で昨年12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数が前年同月比5.7%上昇となったものの、市場予想は下回っています。また、コンファレンスボードが発表した2月の消費者信頼感指数は92.2と前月から低下し市場予想を下回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち公益事業を除く9業種が下げました。なかでもエネルギーが3%を超える下落となったほか、素材も2%を上回る下げとなりました。情報技術と金融も2%近く下げています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が下げました。なかでも原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)が4%を超える下げとなり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、原油・天然ガス企業向け融資の引当金を5億ドル積み増す方針を示したJPモルガン・チェース(JPM)も4%を上回る下げとなりました。また、ハネウェル・インターナショナル(HON)との合併を模索していたと報じられたことについて、反トラスト法に抵触する可能性などから協議を進めないと発表したユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も小幅に下げています。一方、決算で売上高や利益が市場予想を上回ったホーム・デポ(HD)に加え、ウォルマート・ストアーズ(WMT)とナイキ(NKE)の3銘柄が上げています。ダウ平均構成銘柄以外では減収減益ながら市場予想ほど悪化しなかった百貨店大手のメーシーズ(M)が大幅高となり、決算で売上高が市場予想を上回った住宅建設のトール・ブラザーズ(TOL)も大きく上げています。

5.為替・金利等
長期金利は米国株安や原油相場の下落を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり安全資産である米国債が買われ0.03%低い1.72%となりました。ドル円は112円台前半での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円も112円台前半での推移となっていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の16,000円を下回りそうで、本日も日中はドル円の動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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