マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均136円安と続落も安値からは下げ幅を縮める展開に
日本株式市場
日経平均136円安と続落も安値からは下げ幅を縮める展開に
1.概況
本日の日経平均は136円安の1万5915円と続落し1万6000円の節目を割り込みました。TOPIXやJPX日経400も続落しましたが、新興市場のマザーズ指数は1.7%高と反発しました。昨日の米国市場で主要指数が原油安を嫌気して大幅安となったこと、ドル円が111円台まで円高に振れたことを嫌気し、日経平均は200円安で寄り付きました。その後一時300円安近くまで下げ幅を広げましたが、9時半過ぎから徐々に下げ幅を縮めると11時頃には45円安の1万6006円と1万6000円の節目を回復する場面もありました。前場を103円安で終えた日経平均は、後場に入ると再び250円あまりまで下げ幅を広げました。ただ、下値では一定の買いが入りその後は徐々に値を戻して結局136円安での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆2323億円と昨日とほぼ同水準でした。業種別には水産・農林業やその他金融業、小売業など11業種が上昇した一方、2%を超える下落となった海運業など22業種が下落しました。
2.個別銘柄等
本日も東証1部の売買代金トップにソフトバンクグループ(9984)が入り、2.4%高と続伸しました。その他の売買代金上位銘柄は高安まちまちといった格好で、トヨタ(7203)やNTT(9432)、ファナック(6954)などが安かった一方、メガバンク3行は揃って上昇しました。材料が出たところでは、FX取引大手のマネーパートナーズグループ(8732)がストップ高まで上昇しました。仮想通貨が貨幣機能を持つとする法規制案が提出される見込みとなり、同社が仮想通貨「ビットコイン」の取引所と業務提携を検討していることから関連株として物色されました。また、持ち帰り寿司店を展開している小僧寿し(9973)は、一昨日に発表された筆頭株主交代に伴い今後の経営再建期待が高まったことで昨日に続いて大幅高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
一時は300円安近くまで下落した日経平均ですが、下げ幅を縮めての大引けとなりました。この数日のマーケットをみていると、1万6000円を上回ったところでは売り圧力が強くなる一方、下回ったところでは一定の買いが入っているようです。今週末のG20での決定内容を見極めるまでは一方向には動きが出にくいのかもしれません。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は反発 ハンセン指数は続落
上海総合指数:2,928.90(+25.57)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19,156.74(-258.04)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は反発しました。中国人民元の中心レート引き下げを受けて節目の2,900ポイントを割り込んでスタートした上海総合指数は週末にG20財務相・中央銀行総裁会議を控え様子見となるなか前場こそ前日終値を挟んで揉み合う展開となりましたが、後場に入ると下げ幅を広げ一時は1%余り下落する場面もみられました。その後持ち直した上海総合指数は取引終盤でプラスに転じると、2,900ポイントを回復しほぼ高値引けで取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で大幅に続落しています。昨日の欧米株安の流れに加え、原油相場の大幅下落も嫌気され売り優勢でのスタートとなったハンセン指数は、元安で資金流失懸念が再び意識されたことで、さらに下げ幅を広げ一時は1.8%安まで売られました。しかし、本土市場の持ち直しを好感し、下げ幅を縮める展開となっています。日本時間16時時点で金融事業株指数と商工業株指数が1%を超える下落となっているほか、不動産株指数及び公益事業株指数も下げています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、銀行のスタンダードチャー(02888)が赤字決算を受けて6%近く下落しています。また、保険のAIAグループ(友邦保険・01299)やチャイナライフイン (中国人寿保険・02628)なども軟調に推移しています。一昨日に減益見通しを発表した食品メーカーのティンイー (康師傅・00322)は相次ぐ目標株価の引き下げで売りが膨らみ5%超の下げとなっています。さらに、原油安でシェンホアエネルギー (神華能源・01088)が1%超下落しているほか、シノック (中国海洋石油・00883)やペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)も2%超値下がりするなど、エネルギー株が冴えない展開となっています。
一方で電力のCLPホールディング (中電控股・00002)やパワーアセット (電能実業・00006)などにはディフェンシブ銘柄として物色が向かっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)