マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均円高進行の一服と補正予算への期待などから反発
日本株式市場
日経平均円高進行の一服と補正予算への期待などから反発
1.概況
本日の日経平均は224円高の1万6140円と反発し1万6000円の節目を回復しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場で主要指数が反発し、ドル円が112円台まで円安に戻したことを受け日経平均は67円高の1万5983円で寄り付きました。日経平均はすぐに1万6000円を回復しましたが、その後一時割り込む場面もあるなど前場は1万6000円を挟んで揉み合いとなりました。後場寄り後まもなく日経平均は38円高まで上げ幅を縮めて本日の安値をつけましたがすぐに値を戻すと、13時半頃から急激に上げ幅を拡大しました。一時300円あまりまで上げ幅を広げた日経平均はそのまま本日の高値圏での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆3885億円と昨日から約7%増加しました。東証33業種全てが上昇、中でも建設業は3.8%高で上昇率トップとなりました。一部メディアで政府が5兆円規模の補正予算を組むことを検討していると報じられ、公共事業が増えるとの期待が買いを誘ったようです。また、その他金融業が上昇率2位、不動産業が5位とマイナス金利による恩恵が大きいとみられる業種の上昇も目立ちました。
2.個別銘柄等
このところ連日で東証1部の売買代金トップとなっているソフトバンクグループ(9984)は本日もトップとなり、5%近い大幅高となりました。一方、トヨタ(7203)は続落しました。メガバンク3行は揃って上昇しています。売買代金5位のシャープ(6753)は15%近い大幅安となりました。正式に台湾の鴻海精密工業の傘下に入ることが決定しましたが、1株118円の第三者割当増資を行うことを発表したことから1株利益の希薄化が懸念され大きく売られました。補正予算への期待から建設株が買われました。大林組(1802)、大成建設(1801)、鹿島(1812)などが5%前後上昇しています。また、FX大手のマネーパートナーズグループ(8732)が仮想通貨関連として物色され、昨日に続いてストップ高となりました。一方、大手証券が目標株価を引き下げたサイバーエージェント(4751)は5.6%安と大きく売られました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
円高進行の一服と補正予算への期待などから日本株は反発しました。いよいよ明日から中国で20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開催されます。金融安定化のための協調的な姿勢が打ち出されるか注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は大幅反落 ハンセン指数は大幅続落
上海総合指数:2,741.25(-187.65)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):18,922.34(-270.11)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅に反落しました。小幅に下落してスタートした上海総合指数は、国有企業の改革試案10項目の内容に目新しさがなかったことが失望となり、暫くして節目の2,900ポイントを割り込んで下げ幅を広げる展開となりました。後場に入り短期金利の急上昇を受けてリスクオフムードが強まり、さらに下げ幅を広げた上海総合指数は結局、節目の2,800ポイントも割り込んで6%を超える大幅下落となりました。
<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で大幅続落となっています。昨日の米国株高と原油価格の反発を受けてハンセン指数は小幅に上昇して始まったものの、本土市場の急落を受けてすぐにマイナスに転じると下げ幅を徐々に広げる展開となり、節目の1万9000ポイントを割り込みました。後場には下げ幅を縮める場面がありましたが、買い材料に乏しいなか安値圏での推移となっています。日本時間16時時点で不動産株指数をはじめ、商工業株指数、金融事業株指数、公益事業株指数の4業種全てが1%超下落しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面安となっています。カジノのギャラクシー・エンターテインメント(銀河娯楽・00027)は2015年12月期決算が大幅減益となったことが嫌気され大きく下落しています。同じくカジノのサンズ・チャイナ(金沙中国・01928)も連れ安となっています。また、値嵩株のインダコマシャルバン (中国工商銀行・01398)やチャイナモバイル (中国移動・00941)なども売られ相場を押し下げています。さらに、ペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)やシェンホアエネルギー (神華能源・01088)などの石油株も軟調に推移しています。
一方で、保険のAIAグループ(友邦保険・01299)は減益決算の発表にもかかわらず期末配当の大幅な引き上げや新規事業が堅調だったことなどが好感され上昇しています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)