マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は原油高を好感し大幅上昇 日本市場は米国株高と円安で続伸か
NYダウ: 16697.29 △212.30 (2/25)
NASDAQ: 4582.21 △39.60 (2/25)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は、南米の産油国であるベネズエラの石油・鉱業相がサウジアラビアやロシアなど増産凍結で合意した4カ国が3月中旬に会合を開くことを決めたと明らかにしたことを受けて上昇した原油価格を好感し大幅続伸となりました。欧州株高や良好な内容となった米耐久財受注を受けて上昇して始まったダウ平均は、原油価格が軟調だったこともあって上値が伸び悩むと前日終値を挟んで方向感に欠ける展開となりましたが、原油価格が午後にプラスに転じるとダウ平均も上げ幅を広げ引けにかけて一段高となりました。結局ダウ平均は212ドル高の16,697ドルとほぼ高値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も39ポイント高の4,582ポイントとなっています。
2.経済指標等
1月の米耐久財受注額は前月比4.9%増と10カ月ぶりの高い伸びとなり市場予想を大きく上回りました。また、民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注は3.9%増で2014年6月以来の高い伸びとなり、こちらも市場予想を上回りました。一方で先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比1万件増の27万2千件となり市場予想を上回って悪化しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は10業種全てが上げました。なかでも金融、情報技術、ヘルスケア、素材、生活必需品、資本財・サービスの6業種が1%以上上昇し、一般消費財・サービスも1%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。なかでもユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が5%近く上昇したほか、ナイキ(NKE)も3%を超える上げとなり、デュポン(DD)やビザ(V)、ファイザー(PFE)、ゴールドマン・サックス(GS)なども2%前後の上昇となっています。ダウ平均構成銘柄以外では2015年10-12月期決算が市場予想を上回る増収増益となった宅配ピザ大手ドミノ・ピザ(DPZ)が急伸し52週高値を更新しています。また、総合小売りのシアーズ・ホールディングス(SHLD)は決算で最終赤字が拡大したことで売りが先行したものの、悪材料出尽くし感から次第に買いが優勢となり大幅高となりました。家電量販店大手のベストバイ(BBY)や百貨店のコールズ(KSS)も決算で1株利益が市場予想を上回り買われました。一方で、業績の見通しが市場予想を下回った高級家具販売のレストレーション・ハードウエア・ホールディングス(RH)が急落しました。
5.為替・金利等
長期金利は、中国株式相市場の大幅下落や原油価格の不安定な値動きなどを受けて安全資産である米国債が買われ0.04%低い1.71%となりました。ドル円は米国株高や原油価格の上昇、さらに良好な米耐久財受注を受けて円が売られ一時113円台を付ける場面もありました。朝方は112円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高やドル円もやや円安となっていることから本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか本日もドル円をにらみながらの展開となりそうですが、昨日に6%を超える下落となった上海市場の動向にも神経質になりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)