市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均、一時大幅高も上げ幅縮めて小幅続伸 来週は米国の経済指標等に注目

日本株式市場

日経平均、一時大幅高も上げ幅縮めて小幅続伸 来週は米国の経済指標等に注目

1.概況
本日の日経平均は48円高の1万6188円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400も続伸しましたが、新興市場のマザーズ指数は3日ぶりに反落しました。昨日の米国市場で主要指数が原油高を好感し大幅に上げたこと、ドル円が113円台まで円安に振れたことを受け、日経平均は171円高と大きく上昇して寄り付きました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を拡大し、一時は332円高の1万6472円と1万6500円回復目前まで迫る場面がありました。ただ、そこが本日の高値となるとその後は1日を通して上げ幅を縮める展開となりました。前場を192円高で終えた日経平均は、後場入り後しばらくは前引け水準での揉み合いとなりましたが、ドル円が112円台に入って円高が進んだこともあり14時過ぎから急速に上げ幅を縮小しました。結局日経平均は安値引けとなり、1万6000円台での上値の重さが意識される1日となりました。東証1部の売買代金は2兆1117億円と昨日から1割以上減少しました。業種別には小売業、電気・ガス業、食料品といった内需ディフェンシブを中心とした23業種が上昇しました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)は8円高と小幅に上昇して5日続伸となりました。今月中旬に大規模な自社株買いを発表して以降、堅調な推移が目立っています。一方、トヨタ(7203)は3日続落しました。足元の円高進行を受け証券会社の目標株価引き下げが出ている影響もあってか、冴えない推移が続いています。三井住友(8316)と三菱UFJ(8306)が上昇した一方、みずほ(8411)は1.5%安とメガバンク3行はまちまちな値動きとなりました。シャープ(6753)は11.4%の大幅下落となりました。鴻海精密工業が把握していなかった偶発的債務があり、契約の締結が遅れると報じられ、買収について今後の不透明感が高まったことが嫌気されました。ふくおかフィナンシャルグループ(8354)と十八銀行(8396)が経営統合すると発表し、十八銀行は11%近い大幅高となった一方、ふくおかフィナンシャルグループは2%安と下落しました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
一時は300円以上上昇した日経平均ですが、徐々に上げ幅を縮小して安値引けと上値の重さが意識される格好となりました。112円前後で推移するドル円からすると来期の企業業績が今期比増益を確保できるか不安視されている面があり、買い意欲を限定的にさせているのかもしれません。来週は、明日まで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議終了後の発表内容のほか、ISM景況感指数や雇用統計など米国の重要指標の発表に注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場とハンセン指数は共に反発

上海総合指数:2767.21(+25.96)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19,220.42(+331.67)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は、周・中国人民銀行総裁の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での「人民元が継続的に下落する根拠はない」との発言や、「株式市場の発展を強く希望する」、また「中国は金融政策に余地や手段がある」との発言が好感され反発しました。昨日に6%超下落しただけに押し目買いが入り小幅に反発してスタートした上海総合指数は、一時1%近く下落する場面もありましたが、その後持ち直し上げ幅を広げると1%近く上昇して取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は昨日の米国株高と原油価格の上昇に加え、周・中国人民銀行総裁の発言も好感され日本時間16時時点で大幅反発となっています。ハンセン指数は節目の1万9000ポイントを回復して寄り付くと前場は高値圏での揉み合いが続きました。後場には本土市場の下落が嫌気され上げ幅を縮める場面もみられましたが、暫くして持ち直すと高値圏での推移となっています。日本時間16時時点で商工業株指数をはじめ、不動産株指数、金融事業株指数、公益事業株指数の4業種全てが1%を超える上昇となっています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、食品メーカーのティンイー (康師傅・00322)が6%超値上がりしています。昨日までの3日間で17%超下落したことで値ごろ感から買いを集めました。また、冴えない業績で売られていたエイチエスビーシー(HSBC・00005)が3%超上昇したほか、保険のピンアンインシュラ (平安保険・02318)やAIAグループ(友邦保険・01299)なども買われています。さらに、原油価格の上昇を受けてペトロチャイナ(中国石油天然気・00857)やシノック(中国海洋石油・00883)、クンルンエネルギー (昆侖能源・00135)などの石油株も大幅に上昇しています。

一方で、ハンセン指数構成銘柄からの除外が発表されたチャイナリソービアー (華潤ヒ酒・00291)は下落しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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