マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は小幅に高安まちまち 日本市場は円安を好感して続伸か
NYダウ: 16639.97 ▼57.32 (2/26)
NASDAQ: 4590.47 △8.27 (2/26)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。原油安が重石となりダウ平均とS&P500株価指数は反落となったものの、ナスダック総合株価指数は続伸となりました。アジアや欧州の株高に加え、GDP改定値が予想に反して上方修正されたことなどが好感されて買いが先行し取引開始直後に100ドル高近くまで買われたダウ平均ですが、利益確定の売りが出て上値が伸び悩むと、前日の終値を挟んで揉み合う展開となり、その後原油価格が軟調になるにつれてダウ平均も売りが優勢となりました。ダウ平均は結局57ドル安の16,639ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も3ポイント安の1,948ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は8ポイント高の4,590ポイントと3日続伸となっています。
2.経済指標等
2015年10-12月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比1.0%増と速報値から0.3ポイント上方修正され下方修正を見込んでいた市場予想を大幅に上回りました。また、1月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.5%増となり市場予想を上回り昨年5月以来8カ月ぶりの高い伸びとなりました。個人所得も前月比0.5%増となり市場予想を上回っています。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレーターも前年同月比1.7%上昇となり、こちらも市場予想を上回っています。さらに2月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は91.7と速報値から1.0ポイント上昇し市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち6業種が下げ、公益事業が2%を超える下落となったほか生活必需品も1%を上回る下げとなっています、一方で4業種が上げ、素材が1%以上の上昇となっています。
4.個別銘柄動向
四半期決算が大幅な増益となったことや、不動産事業を不動産投資信託(REIT)として分社することを明らかにしたことが好感されたたホテルのヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HLT)が買われ、決算とあわせて公表した業績見通しが強気と受け止められた百貨店のJCペニー(JCP)が急伸しました。一方で決算が減収減益で利益見通しも市場予想を下回った衣料品販売チェーンのギャップ(GPS)が売られ、四半期決算で業績が市場の期待に届かなかった飲料のモンスター・ビバレッジ(MNST)も下げています。
5.為替・金利等
長期金利は米経済指標の改善を受けて米国債が売られ0.05%高い1.76%となりました。ドル円はGDP改定値やPCEデフレーターなど米経済指標の改善を受けて米景気の減速懸念が後退、円売り・ドル買いが広がり円安が進み114円を付ける場面もありました。朝方は113円台後半での推移となっています
【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場は小幅に高安まちまちで材料になりにくいものの、ドル円が113円台後半まで円安に振れていることや、G20を受けての財政出動への期待もあって本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が2月中旬以降の上値抵抗線として意識されてきた2月1日の高値と2月12日の安値の半値戻しの水準(16,385円)を試す展開となり、引けでこの水準を上回れるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)