市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均一時300円近く上昇もマイナスに転じ安値引け 今週は米国の経済指標に注目

日本株式市場

日経平均一時300円近く上昇もマイナスに転じ安値引け 今週は米国の経済指標に注目

1.概況
本日の日経平均は161円安の1万6026円と反落しました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが、新興市場のマザーズ指数は上昇しました。先週末の米国市場でダウ平均は下落した一方ナスダック総合指数は上昇とまちまちで支援材料になりにくかったものの、ドル円が114円程度まで円安に振れたことを受け、日経平均は124円高と上昇して寄り付きました。日経平均は寄り付き後も上げ幅を拡大し、一時は9時半頃に本日の高値となる276円高の1万6464円まで上昇しました。ただ、その後ドル円が徐々に円高に振れると日経平均も徐々に上げ幅を縮めて結局前場を66円高で引けました。後場の日経平均はしばらく1万6300円近辺での揉み合いが続きましたが、13時半過ぎからは上げ幅を縮めて14時過ぎにマイナスに転じました。その後ドル円が112円台まで振れたことが市場のセンチメントを悪化させ、日経平均は引けにかけて一段安となり結局安値引けで取引を終えました。業種別には、情報・通信業、輸送用機器の2業種のみが上昇、残る31業種は下落しました。東証1部の売買代金は2兆5944億円となりました。

2.個別銘柄等
日中は売買代金上位銘柄の多くが上昇していましたが、円高進行により上値を押さえられる厳しい展開となりました。東証1部の売買代金トップはトヨタ自動車(7203)で小幅に下落し4日続落しています。売買代金2位のソフトバンクグループ(9984)、3位のマネーパートナーズグループ(8732)、4位の三菱UFJ(8306)も下落しました。三井住友(8316)、みずほ(8411)もそれぞれ1%前後下落しました。一方売買代金5位に入った日産自動車(7201)は5.5%の大幅上昇となりました。4000億円を上限とする自社株買いを発表したことが材料視され、一時は12%以上上昇する場面もありました。その他に材料が出たところでは、家電販売大手のビックカメラ(3048)が8%近い大幅上昇となりました。大手証券が目標株価を引き上げたことが好感されました。一方、建設大手の熊谷組(1861)が16%近い大幅安で東証1部の下落率首位となりました。同社が施工した横浜市のマンションの複数の鉄筋が不適切な施工により切断されていた可能性があると報じられたことが悪材料視されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
一時は300円近く上昇し1万6500円を伺う水準まで上昇した日経平均ですが、円高進行が重石となり結局反落しました。上ひげをつけて安値引けと、引き続き1万6000円を超えてからの上値が非常に重いことを印象づける嫌な引け味となりました。今週はISM景況感指数や、雇用統計など米国の重要な経済指標が数多く発表されます。既に3月に追加利上げが行われる可能性は非常に低くなったとみられていますが、今後の動向を見極めるうえで大きな注目を集めます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場とハンセン指数は共に大幅反落

上海総合指数:2687.98(-79.23)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19,123.18(-240.97)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅に反落しました。2月の新規融資残高が前月から急減するとの観測に加え、元安で資金流出懸念が再び意識されたことや、日本のマザーズ市場に相当する創業板指数が大幅に5日続落し一時7%超下落したことなども投資家心理の悪化に繋がりました。小幅に下落して始まった上海総合指数ですが、まもなく下げ幅を急速に広げ節目の2,700ポイントを割り込むとその後は安値圏での推移となりました。後場に入ると上海総合指数は下げ幅をさらに広げ一時4.6%超下落する場面がありましたが、1月の取引時間中の安値(2,638ポイント)がサポートとして意識されたこともあり、その後は押し目買いが入りやや値を戻す展開となりました。上海総合指数は結局3%近く反落して取引を終えています。なお、G20が「世界経済の成長と金融市場の安定に向け、財政出動や構造改革などの政策手段を総動員する」との共同声明を発表しましたが、相場への影響は限定的だったようです。

<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で大幅な反落となっています。明日3月1日の中国の2月の製造業PMI発表などを控えて積極的な買いが入りづらいなか、本土市場の下落や前週末の米原油価格の下落を背景とした資源株安も相場全体の重荷となりました。ハンセン指数は僅かに上昇して寄り付きましたが、暫くしてマイナスに転じると下げ幅を拡大する展開となり、後場に一時1.6%近く安まで売られる場面もみられました。その後は本土市場の切り返しが好感され下げ幅を縮める展開となっています。日本時間16時時点で商工業株指数と金融事業株指数が1%超下げているほか、公益事業株指数及び不動産株指数も下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、本土市場の急落を受けて中国本土系銘柄が軒並み冴えない展開となっています。なかでも、値嵩株のテンセント (騰訊控股・00700)が1%超下げているほか、小売のベレインターナショナ (百麗国際・01880)も4%以上値下がりしています。また、先週末の原油価格の下落からペトロチャイナ(中国石油天然気・00857)やシノック(中国海洋石油・00883)などの石油株も大幅に下落しています。さらに、G20で金融市場の安定化に向けた協調姿勢が示されたことでエイチエスビーシー(HSBC・00005)は買いが先行したものの、上げ幅を縮めるとほぼ横ばいとなっています。

一方で、カジノのギャラクシーエンター (銀河娯楽・00027)が小幅に上げています。また、先週にハンセン指数構成銘柄からの除外が発表されたチャイナリソービアー (華潤ヒ酒・00291)は値ごろ感から1%超買われています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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