マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は冴えない経済指標を受けて下落 日本市場はドル円や中国市場の動向をにらみながらの展開か
NYダウ: 16516.50 ▼123.47 (2/29)
NASDAQ: 4557.95 ▼32.52 (2/29)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は下落しました。中国の追加金融緩和や原油価格の上昇など受けて昼前に86ドル高まで買われる場面もあったダウ平均ですが、冴えない経済指標を受けて売りが優勢となると午後は下げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は123ドル安の16,516ドルと続落となり、ほぼ安値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も32ポイント安の4,557ポイントと4日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
2月のシカゴ購買部協会景気指数は47.6と前月の55.6から大幅に悪化し市場予想を下回りました。また、1月の中古住宅販売仮契約指数は前月比2.5%低下の106.0と市場予想を下回り1年ぶりの低水準となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち公益事業を除く9業種が下げました。なかでもヘルスケア、エネルギー、金融が1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
四半期配当の大幅減額を発表した電力大手NRGエネジー(NRG)が下落したほか、カナダの製薬バリアント・ファーマシューティカルズ(VRX)が米証券取引委員会(SEC)の調査と受けていると伝わり急落しました。シティグループ(C)は国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件をめぐり連邦地検から召喚状を受けたことが明らかとなり売られています。一方で買収提案を受けたと発表した自動車部品のフェデラルモーグル・ホールディングス(FDML)が急伸しています。また、石炭掘削大手のコンソル・エナジー(CNX)は炭鉱を資源関連の投資ファンドに売却すると発表し財務健全化が進むとの見方から大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は冴えない経済指標を受けて0.03%低い1.73%となりました。ドル円は112円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安を受けて本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなかドル円や、預金準備率の引き下げといった追加金融緩和を決めた中国市場の動向をにらみながらの展開となりそうで、前月から横ばいが見込まれている10時発表の中国製造業PMIや10時45分に発表される財新中国製造業PMIの結果も注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)