マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は市場予想を上回って改善した経済指標を好感し大幅高 日本市場は米国株高と円安で大幅続伸か
NYダウ: 16865.08 △348.58 (3/1)
NASDAQ: 4689.60 △131.65 (3/1)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は市場予想を上回って改善したISM製造業景況感指数を好感して大幅反発となりました。原油価格の上昇やアジア、欧州の株高を受けて上昇して始まったダウ平均はISM製造業景況感指数の結果を受けて一日を通して上げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は348ドル高の16,865ドルと3日ぶりの大幅反発となりほぼ高値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も131ポイント高の4,689ポイントとなっています。
2.経済指標等
2月の米ISM製造業景況感指数は前月から1.3ポイント上昇し49.5となりました。景気判断の分かれ目となる50は5カ月連続で下回ったものの、2カ月連続で上昇し市場予想を上回る改善となりました。また、2月の米新車販売台数は年率換算で1754万台となり2月としては15年ぶりの高水準となりました。さらに1月の建設支出は年率換算で前月比1.5%増となり昨年5月以来8カ月ぶりの高い伸びとなり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち公益事業を除く9業種が上げました。そのなかでも金融と情報技術が3%以上の上昇となったほか、一般消費財・サービス、素材、エネルギー、ヘルスケアの4業種も2%を超える上昇となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はハネウェル・インターナショナル(HON)が買収案を撤回したユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)を除く29銘柄が上げました。なかでもJPモルガン・チェース(JPM)が5%を上回る上昇となったほか、アップル(AAPL)も4%近く上げ、ゴールドマン・サックス(GS)やデュポン(DD)、マイクロソフト(MSFT)なども3%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では2月の米新車販売台数が前年同月比で20%増えたと発表した自動車のフォード・モーター(F)が大幅高となり、決算で既存店売上高が大きく伸びた高級服飾のケイト・スペード(KATE)が急伸しました。また、四半期決算が増収増益となった自動車用部品のオートゾーン(AZO)も買われました。一方でニューヨーク証券取引所などを運営するインターコンチネンタル取引所(ICE)がロンドン証券取引所に対する買収提案を検討していると報じられ、買収費用がかさむとの懸念から下落しました。医療機器大手のメドトロニック(MDT)も決算で売上高が市場予想ほど伸びなかったことで大幅安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は経済指標の改善を受けて安全資産の米国債が売られ0.09%高い1.82%となりました。ドル円は円安に振れ、朝方は114円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場の大幅高と円安を受けて本日の日本市場は大幅続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は2月中旬以降のレンジを上に抜けそうで、25日移動平均線(昨日時点で16,458円)を上回って節目の16,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)