市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均外部環境の好転受け661円の大幅高

日本株式市場

日経平均外部環境の好転受け661円の大幅高

1.概況
本日の日経平均は661円高の1万6746円と大幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場が経済指標の改善を好感し大幅高となり、ドル円が114円程度まで円安に振れたことを受け日経平均は305円高と大幅に上昇して寄り付きました。日経平均は上げ幅を拡大し、まもなく1万6500円の節目を回復すると、その後も堅調な推移が続きました。日経平均は10時過ぎから一段高となると649円高とその時点の高値圏での前引けとなりました。日経平均は後場に入ってもじりじりと上げ幅を広げ、13時半過ぎに729円高と本日の高値をつけ1万6800円台で推移する時間帯もありました。日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが、本日の高値圏での大引けとなりました。東証33業種が全て上昇し、なかでも鉄鋼、保険業、海運業、電気機器、機械の5業種は5%~6%の大幅上昇となりました。東証1部の値上がり銘柄数は1,824と全面高の商状となり、東証1部の売買代金は2兆5934億円と前日から約20%増加しました。

2.個別銘柄等
リスクオフムードが後退し幅広い銘柄が買われました。売買代金上位の主力銘柄は総じて上昇し、トヨタ(7203)は3.5%高と6日ぶりに反発しました。その他にもソフトバンクグループ(9984)、メガバンク3行、ファーストリテイリング(9983)などもそれぞれ大幅に上昇しました。材料が出たところでは、海運大手の商船三井(9104)が8%近い大幅高となりました。外資系証券が投資判断を引き上げたことが好感されました。一方、大手証券が投資判断と目標株価を引き下げたバンダイナムコホールディングス(7832)は2%安と逆行安となりました。仮想通貨関連として連日の大幅高が続いているマネーパートナーズグループ(8732)は昨日に続いて本日もストップ高となりました。2月24日以降の6営業日中5営業日でストップ高と、バブル的ともみられる値上がりが続いています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
米国株高、円安という外部環境の改善で市場のセンチメントが大きく改善し、日経平均は大幅高となりました。ひとまず2月12日に日経平均が1万5000円割れしたところが大底となっている格好で、原油価格の上昇や米国経済の不透明感後退など徐々に状況は好転しているように見受けられます。ただ、主要産油国が減産に踏み切るかなどはまだまだ不透明であり、中国の経済指標の下振れなどもあって全面的なリスクオンとなるにはまだ時間がかかると見ておいた方が良さそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は大幅続伸 ハンセン指数も続伸し一時節目の2万ポイント回復

上海総合指数:2849.68(+116.51)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20024.83(+617.37)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅に続伸しました。大手証券会社の信用取引に対する融資基準が緩和されたことを受けて小幅に上昇して始まった上海総合指数ですが、向こう3年間の新規炭鉱建設計画が停止されると報じられるとともに、一部政府機関がセメント、造船、ガラス、アルミニウムなどの業界の過剰生産能力解消に関する意見書を作成していると報道され、過剰な生産設備の解消や供給側重視の構造改革を期待する買いが入り、上げ幅を広げる展開となりました。また、香港市場の急伸なども投資家心理の改善に繋がり、一段高となると節目の2,800ポイントを回復し1日を通して上げ幅を広げました。引けにかけもて買いの勢いは衰えず、結局上海総合指数は4%超の上昇でほぼ高値引けとなり、25日移動平均線を上抜けました。

<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で節目の2万ポイントを回復して大幅続伸となっています。昨日の欧米株高と原油価格の上昇を受けたハンセン指数は大幅に上昇して寄り付きました。その後は一時伸び悩む場面もみられたものの、投資家のリスクオフムードが後退したこともあり、まもなく値を戻し上げ幅をさらに広げる展開となりました。後場に入ってもハンセン指数はだれることなく2万ポイントを回復して高値圏での推移が続いています。日本時間16時時点で商工業株指数や、不動産株指数、公益事業株指数、金融事業株指数4業種の全てが大幅に上昇しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場はほぼ全面高となっています。なかでも、チャイナリソービアー (華潤ヒ酒・00291)は英SABミラーとの合弁会社である華潤雪華ビールを完全子会社にすると朝方に発表し、一時35%近く買われました。また、ロシアのノバク・エネルギー相が、主要産油国15カ国が増産凍結で合意しており、まもなく正式決定すると述べたと伝わったことが好感され、シェンホアエネルギー (神華能源・01088)をはじめ、ペトロチャイナ(中国石油天然気・00857)やシノック(中国海洋石油・00883)なども大幅に値上がりしています。さらに、銀行の預金準備率の引き下げに続き、広東省が香港やマカオの住民に対する住宅購入制限の緩和を発表したことから、リソーシズランド (華潤置地・01109)が7%超買われているほか、ハンルンプロパティー (恒隆不動産・00101)も5%近く上昇するなど、不動産株が軒並み賑わっています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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