マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は大幅上昇の後で上値重く小幅続伸 日本市場は利益確定の売りで軟調なスタートか
NYダウ: 16899.32 △34.24 (3/2)
NASDAQ: 4703.42 △13.83 (3/2)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅続伸となりました。原油安を受けて下落して始まったダウ平均は取引開始後しばらくして100ドル近くまで売られる場面もありましたが、原油価格が持ち直すとダウ平均も切り返し小幅なプラスに転じました。しかし、利益確定の売りで上値は重くその後も小安い水準での推移が目立ちました。引けにかけてやや買いが優勢となったダウ平均は結局34ドル高の16,899ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も13ポイント高の4,703ポイントとなっています。
2.経済指標等
2月のADP全米雇用リポートで民間部門の雇用者数は21万4000人増加し市場予想を上回りました。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は米地区連銀経済報告(ベージュブック)で経済活動は大半の地区で拡大したとの総括判断を示しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち一般消費財・サービスと素材の2業種が下げました。一方で8業種が上げ、エネルギーが2%を超える上昇となったほか、電気通信サービスと金融も1%前後の上昇となりました。
4.個別銘柄動向
四半期決算が増収で1株利益が市場予想を上回った新聞のトリビューン(TPUB)が大幅高となり、四半期決算が市場予想を上回る増益となったカジュアル衣料のアバクロンビー・アンド・フィッチ(ANF)も大きく上げました。また、ファストフードのチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)が目標株価の引き上げを受けて買われました。一方でアルゼンチンの通貨切り下げなどの悪影響を踏まえ2016年8月期通期の収益見通しを引き下げた種子・農業製品大手のモンサント(MON)が大幅安となったほか、2月の旅客収入が前年同月比で減少したと発表したデルタ航空(DAL)が小幅に下げています。
5.為替・金利等
長期金利は市場予想を上回るADP全米雇用リポートを受けて0.02%高い1.84%となりました。ドル円はやや円高に振れ113円台半ばでの推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅な上げに止まるなか、ドル円が円高となっていることから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか昨日の日経平均が700円近い大幅上昇となった後で利益確定の売りが出やすいことから底堅さがみられるかがポイントとなりそうで、本日も日中はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)