マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均今年初の3日続伸 銀行や海運など直近で売られてきた業種の上昇目立つ
日本株式市場
日経平均今年初の3日続伸 銀行や海運など直近で売られてきた業種の上昇目立つ
1.概況
本日の日経平均は213円高の1万6960円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場でダウ平均は小幅に上昇したものの、ドル円が113円台半ばまで円高に振れたことに加えて、昨日が661円の大幅上昇で利益確定売りも出やすく、日経平均は50円安の1万6695円と反落して寄り付きました。ただ、日経平均は寄り付きがほぼ底値となるとすぐにプラスに転じ、その後は上げ幅を広げる展開となりました。10時半前には上げ幅が200円を超える場面もありましたが、その後はやや上げ幅を縮め結局148円高での前引けとなりました。日経平均は後場に入ると高値圏でのもみ合いとなりましたが、大きく上げ幅を縮める場面はなく、結局ほぼ高値引けとなり今年初の3日続伸を達成しました。業種別には26業種が上昇し、中でも海運業や銀行業など足元で大きく売られていた業種の買い戻しが目立ちました。一方、空運業や陸運業など原油価格の上昇がネガティブに作用しやすい業種や、水産・農林業や建設業など内需関連業種の一角が売られました。東証1部の売買代金は2兆5382億円と昨日とほぼ同水準でした。
2.個別銘柄等
売買代金上位銘柄は幅広く上昇しましたが、中でもメガバンク3行の大幅上昇が目立ちました。三菱UFJ(8306)が7.9%、三井住友(8316)が8.6%、みずほ(8411)が6.1%とそれぞれ大きく値上がりしました。市場全体のリスクオフムードが後退したことに加え、欧米の金融株が昨日上昇したことが買いを誘ったようです。その他の銀行もりそな(8308)やゆうちょ銀行(7182)、あおぞら銀行(8304)などがそれぞれ大幅に上昇しました。世界経済の成長鈍化懸念などから下落基調が続いていた海運株も本日は大幅に上昇しました。商船三井(9104)が8.4%高、川崎汽船(9107)が7.8%高などとなっています。材料が出たところでは、タカタ(7312)はエアバッグのリコール問題で米当局がリコール対象の拡大に否定的と報じられたことが好感され、11%近い大幅上昇となりました。一方、2月の既存店売上高が冴えないと受け止められたユナイテッド・アローズ(7606)は4%近く下落しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
マーケットのリスクオフムードが大幅に後退し、これまで売られてきた業種や銘柄の大幅な反発が 目立つ1日でした。今夜の米国市場では2月分のISM非製造業景況感指数が発表されます。1月分は12月から大幅に低下し、米国経済の先行き不安が高まるきっかけとなっただけに、2月分で回復が見られるか注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は小幅続伸 ハンセン指数は反落
上海総合指数:2859.76(+10.08)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19880.22(-123.27)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に続伸しました。両会(全国政治協商会議と全国人民代表大会)の開催に伴う政策期待から1%余り上昇する場面もあった上海総合指数ですが、昨日に4%以上上昇した後で利益確定売りが出やすく、一時小幅なマイナスとなるなど上値の重さが意識されると結局小幅高で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で反落となっています。昨日の米国株高と原油価格の上昇を受けてハンセン指数は買いが先行しましたが、利益確定の売りが出てマイナスに転じると、2月の財新中国非製造業PMIの悪化を受けて心理的な節目の2万ポイントを割り込み下げ幅を広げました。その後やや値を戻したものの、軟調な展開が続いています。日本時間16時時点で商工業株指数、不動産株指数、公益事業株指数、金融事業株指数の4業種全てが小幅に下落しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、レノボグループ (聯想集団・00992)が3%超売られています。米IBM(IBM)が保有株を売却すると伝わったことが嫌気されました。また、前日に大きく上昇した不動産株も利益確定に押され下落しています。なかでもリソーシズランド (華潤置地・01109)が3%を超える下落となっているほか、チャイナオーバーシー (中国海外発展・00688)も2%余り下げています。さらに、ホンコンエクスチェンジ (香港証券取引所・00388)が投資判断の引き下げを受けて1%超値下がりしているほか、チョンコンインフラ (長江基建・01038)も同じく投資判断の引き下げが嫌気され4%以上下落しています。
一方で、華潤雪華ビールの買収が引き続き好感されチャイナリソービアー (華潤ヒ酒・00291)が2%超上げています。また、原油価格の上昇を受けてシノック(中国海洋石油・00883)といったエネルギー株も堅調となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)