マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は取引終盤に買い戻し入り小幅に3日続伸 日本市場は利益確定の売りで反落スタートか
NYダウ: 16943.90 △44.58 (3/3)
NASDAQ: 4707.42 △4.00 (3/3)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅に3日続伸となりました。欧州株安や原油価格の下落を受けて下げて始まったダウ平均は軟調な展開が続き昼前に80ドル安近くまで売られる場面もありましたが、取引終盤に買い戻しが入りプラスに転じると結局44ドル高の16,943ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も4ポイント高の4,707ポイントとなっています。
2.経済指標等
2月のISM非製造業景況感指数は53.4と前月の53.5から小幅に低下しましたが市場予想は上回りました。また、先週一週間の新規失業保険申請件数は前週比6千人増の27万8000人となり減少を見込んでいた市場予想を上回り悪化しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちエネルギーや金融、資本財・サービス、公益事業などの8業種が上げ、なかでもエネルギーが1%を超える上昇となりました。一方でヘルスケアと情報技術の2業種が下げています。
4.個別銘柄動向
決算が赤字に転落したものの従来の業績見通しをほぼ据え置いたことで鉱山用機械大手のジョイ・グローバル(JOY)が急伸しました。また、投資判断の引き上げを受けてインテル(INTC)とウォルト・ディズニー(DIS)が小幅に上昇しています。一方、決算で売上高が市場予想に届かなかったうえ、既存店売上高の伸びも鈍化した食品スーパー大手のクローガー(KR)が大幅安となったほか、決算が増収減益で1株利益が市場予想を下回った会員制卸売大手コストコ・ホールセール(COST)も売られました。さらに2015年11月-16年1月期決算で売上高が市場予想に届かなかったうえ、2016年2-4月期の見通しが慎重と受け止められたネットワーク機器大手のシエナ(CIEN)が急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い1.83%となりました。ドル円は113円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は続伸となったものの小幅な上昇に止まったうえ、ドル円もやや円高となるなか、日経平均が昨日までの2日間で900円近く上昇していることから利益確定の売りが出やすく、本日の日本市場は反落でのスタートが予想されます。米雇用統計の発表を今晩に控えた週末で様子見ともなりやすいなか底堅さがみられるかがポイントとなりそうで、日中はドル円の動向をにらみながらとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)