市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均4日続伸で1万7000円を回復 今夜は22時半に米国雇用統計が発表

日本株式市場

日経平均4日続伸で1万7000円を回復 今夜は22時半に米国雇用統計が発表

1.概況
本日の日経平均は54円高の1万7014円と4日続伸し2月8日以来約1ヶ月ぶりに1万7000円の節目を回復しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数もそれぞれ上昇しました。昨日の米国市場で主要指数は小幅に上昇しましたが、日経平均は昨日までの3日間で900円以上上昇していたことから利益確定売りが先行し、日経平均は32円安の1万6927円で寄り付きました。寄り付き直後は下げ幅を拡大し、100円近くまで下げ幅を広げましたが、そこが本日の安値となるとその後は徐々に値を戻しました。前場の日経平均は1万6900円前後でのもみ合いとなりましたが、前引け間際に瞬間的にプラスに転じる場面もありました。前場を4円安とほぼ横ばいで終えた日経平均は、お昼休みの時間帯にやや円安が進んだことを好感して、後場寄りは71円高の1万7031円と1万7000円の節目を回復しました。その後は徐々に上げ幅を縮めてマイナスに転じる場面もありましたが、引けにかけて再び上げ幅を拡大した日経平均は本日の高値圏で取引を終えました。東証33業種は26業種が上昇し、鉱業や石油石炭製品などのエネルギー関連業種や、海運業や証券商品先物などの景気敏感業種の上昇が目立ちました。一方医薬品や情報通信業といったディフェンシブセクターを中心とした7業種が下落しました。東証1部の売買代金は2兆4902億円と昨日から若干減少しました。

2.個別銘柄等
昨日揃って大幅高となったメガバンク3行は、三菱UFJ(8306)は東証1部の売買代金トップの商いを集めて1.6%高と堅調でした。三井住友(8316)も0.7%高となりましたが、みずほ(8411)は小幅安となっています。自動車各社も概ね堅調で、トヨタ自動車(7203)が0.8%高、日産自動車(7201)が0.9%高、マツダ(7261)が2.3%高などとなっています。一方、KDDI(9433)が4%安、NTTドコモ(9437)が3.6%安、NTT(9432)が2.7%安と通信各社が売られました。リスクオフのなかディフェンシブセクターの代表として資金の逃避先となっていたとみられますが、徐々にリスクオンに傾く中で売られたようです。シャープ(6753)は9.4%の大幅高となりました。鴻海精密工業との買収協議が進展するとの期待から買われました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は約1ヶ月ぶりに終値で1万7000円の節目を回復しました。ただ、ドル円はいまだに113円台の円高水準で推移しています。1ヵ月前のドル円は116円程度でしたので、3円近くも円高だということになります。そのドル円に大きな影響を与えそうな米雇用統計が本日の日本時間22時半に発表されます。米国労働市場の回復が確認されれば改めて4月以降の利上げが意識され、円安ドル高になる可能性もあり注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は続伸 ハンセン指数は反発

上海総合指数:2874.15(+14.39)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20137.86(+196.1)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は続伸しました。昨日まで3日間で6%以上上昇したことで小幅に下落してスタートした上海総合指数は、前場こそ昨日の終値を挟んで方向感に乏しい展開となりましたが、後場に入ると創業板指数の大幅下落を受けて下げ幅を1.8%近くまで広げ、一時節目の2,800ポイント近辺まで売られる場面もありました。しかし、明日5日に開幕となる中国の全国人民代表会議(全人代)への政策期待が根強く、まもなく持ち直すとプラスに転じ上海総合指数は4日続伸で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で反発しています。昨日の米国株高と原油価格の上昇を受けてハンセン指数は節目の2万ポイントを回復して始まりました。寄り付き後一時1%高まで上昇する場面がありましたが、今夜発表される米国の雇用統計や5日からの全人代の政策発表を控えて様子見ムードが強まる中、積極的な買いが出にくく、ハンセン指数はプラス圏での揉み合いとなりました。後場に本土市場の急落を受けて一時2万ポイントを割り込む場面もみられたハンセン指数ですが、暫くして値を戻すとその後は上げ幅をさらに広げる展開となっています。日本時間16時時点で不動産株指数が1%超値上がりしているほか、商工業株指数、公益事業株指数と金融事業株指数も上昇しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場で本日の主役は本土系の金融株です。なかでもインダコマシャルバンク (中国工商銀行・01398)やコンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)などの銀行株が上昇しているほか、ピンアンインシュラ (平安保険・02318)やチャイナライフイン (中国人寿保険・02628)といった保険株も物色されています。また、原油価格の持ち直しを受けてペトロチャイナ(中国石油天然気・00857)やシノック(中国海洋石油・00883)などの石油株が4日続伸となっています。また、金価格の上昇を受け、ズージンマイニング (紫金砿業・02899)といった金鉱株が大幅に上昇しました。さらに、かつてのライバル局が全従業員を解雇し、放送を終了することを受けて香港のテレビ局、ティーヴィビー(TVB・00511)が約2%上昇しています。

一方で、昨日に買収報道で大きく上昇したチャイナリソービアー (華潤ヒ酒・00291)は利益確定売りに押され、3%超下落しています。また、リスクオフムードが後退していることもあり、電力のCLPホールディング (中電控股・00002)やエムティーアール (MTR・00066)などの公益株が下落しています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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