マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は米雇用統計を好感し4日続伸 ダウ平均は17,000ドルを回復 日本市場は堅調なスタートか
NYダウ: 17006.77 △62.87 (3/4)
NASDAQ: 4717.02 △9.60 (3/4)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は、非農業部門雇用者数が市場予想を上回った米雇用統計を受けて4日続伸となりました。また、雇用統計で賃金の伸びが鈍化したことで米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急がないとの見方も相場を押し上げました。前日までの3日間で400ドル以上上昇していたこともあって朝方には45ドル安まで売られる場面もあったダウ平均ですが、米雇用統計の結果が好感されしばらくして買いが優勢となるとプラスに転じました。17,000ドルを上回って昼前には90ドル高余りまで買われたダウ平均は一旦伸び悩んだものの、午後に再び上げ幅を広げると120ドル高近くまで上値を伸ばしました。その後、弱含み17,000ドルを下回ったダウ平均ですが、引けにかけてやや上げ幅を広げ結局62ドル高の17,006ドルと1月5日以来、約2カ月ぶりに節目の17,000ドルを回復して取引を終えています。また、S&P500株価指数も6ポイント高の1,999ポイントとなり節目の2,000ポイントまであと一歩に迫っています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は9ポイント高の4,717ポイントとなりました。
2.経済指標等
2月の米雇用統計で2月の非農業部門雇用者数は24万2000人増と市場予想を上回ったうえ、1月が15万1000人増から17万2000人増に、昨年12月が26万2000千人増から27万1000人増に上方修正されました。失業率は前月から横ばいの4.9%となり、平均時給は前年同月比2.2%増と市場予想を下回って前月から伸びが低下しました。1月の貿易収支の赤字額は前月比2.2%増の456億7700万ドルとなり2カ月連続での拡大となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち7業種が上げ、なかでも素材と公益事業が1%を超える上昇となったほか、エネルギーも1%近く上げました。一方で電気通信サービス、ヘルスケア、一般消費財・サービスの3業種が下げました。
4.個別銘柄動向
決算が大幅な増収増益で市場予想を上回った銃器製造大手のスミス・アンド・ウェッソン(SWHC)が高く、中国の商業不動産大手、大連万達集団の傘下のAMCエンターテインメントが買収を発表した米映画館チェーンのカーマイク・シネマズ(CKEC)が急伸しています。一方、決算で業績が市場予想を下回った事務用品販売のステープルズ(SPLS)が安く、決算で赤字幅が拡大した税務申告代行サービスのH&Rブロック(HRB)が急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は米雇用統計を受けて米景気の減速懸念がやや後退し0.04%高い1.87%となりました。ドル円は雇用統計で非農業部門雇用者数が予想を上回ったことから一時114円20銭台まで円安が進みましたが、賃金の伸びが鈍化したことでドル買いが続かず113円台前半まで円高に振れる場面もありました。朝方は113円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場は続伸となったものの、日経平均が4日続伸で1,000円近く上昇していることから利益確定の売りが出やすく本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の17,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)