マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち S&P500株価指数は2,000ポイントを回復 日本市場は円高で軟調なスタートか
NYダウ: 17073.95 △67.18 (3/7)
NASDAQ: 4708.25 ▼8.77 (3/7)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。原油価格の大幅高を受けてダウ平均とS&P500株価指数は5日続伸となったものの、ナスダック総合株価指数は5日ぶりの反落となりました。4日続伸の後ということもあって下落してスタートしたダウ平均ですが、しばらくしてプラスに転じると昼過ぎには90ドル高余りまで上昇しました。その後、再びマイナスとなる場面もありましたが、取引終盤で持ち直すと結局67ドル高の17,073ドルで取引を終えました。また、S&P500株価指数は1ポイント高の2,001ポイントとなり、終値としては節目の2,000ポイントを1月5日以来約2カ月ぶりに回復しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は8ポイント安の4,708ポイントとなっています。
2.経済指標等
1月の消費者信用残高は前月比105億3755万ドル増の3兆5436億830万ドルで市場予想を下回りました。また、2月の労働市場状況指数(LMCI)はマイナス2.4と前月から悪化し市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち6業種が上げ、なかでもエネルギーが2%を超える上昇となったほか、素材も1%を上回る上げとなっています。一方で情報技術や生活必需品などの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では原油価格の大幅高を受けてシェブロン(CVX)が3%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、エクソンモービル(XOM)も2%を上回る上げとなりました。また、ドイツのBASFが買収提案を検討中と報じられた化学大手のデュポン(DD)も2%以上上げています。その他のダウ平均構成銘柄ではナイキ(NKE)が3%を超える下げとなり、ビザ(V)も2%を上回る下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では追加で自社株買いを実施すると発表したATM製造大手のNCR(NCR)や、発表を延期していた四半期決算について概要の説明会を15日に開くと発表したカナダの製薬大手バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(VRX)が大幅高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は原油価格の上昇を受けて安全資産の米国債が売られ0.03%高い1.90%となりました。ドル円は113円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が高安まちまちとなるなか、ドル円がやや円高に振れていることから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。ただ、利益確定の売りが出やすいなかでも底堅く推移しそうで、ドル円が円安に振れるようだとプラスに切り返す展開もありそうです。なお、寄り付き前の8時50分に2015年10-12月期のGDP改定値が発表される予定で、速報値から小幅な下方修正が見込まれています。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)