市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均円高進行を嫌気し続落

日本株式市場

日経平均円高進行を嫌気し続落

1.概況
本日の日経平均は128円安の1万6783円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場は主要指数が高安まちまちで支援材料となりにくいなか、ドル円が113円台前半まで円高に振れたことを受け21円安で寄り付きました。前場の日経平均は寄り付きから30分ほどは小安い水準でのもみ合いとなりましたが、その後徐々に下げ幅を広げるとドル円が112円台まで円高に振れたことを嫌気して、下げ幅を急速に拡大しました。11時過ぎに本日の安値となる341円安の1万6570円をつけると、そのまま安値圏での前引けとなりました。日経平均は後場に入ると切り返し、徐々に下げ幅を縮めると40円安あまりまで値を戻す場面もありました。結局引けにかけて再びやや下げ幅を広げ、128円安での大引けとなりました。なお、寄り付き前に発表された日本の10-12月期のGDP改定値は年率換算マイナス1.1%と、速報値のマイナス1.4%から上方修正され市場予想を上回りましたが、市場への影響は限定的でした。東証1部の売買代金は2兆5754億円と昨日から2割弱増加しました。東証33業種は不動産業と繊維製品の2業種のみ上昇しました。非鉄金属、電気・ガス業、銀行業の3業種は2%を超える下落となりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップはトヨタ自動車(7203)で1.8%安となり、3月1日以来5営業日ぶりに6,000円を割り込みました。その他にもメガバンク3行など軟調な値動きの銘柄が目立つなか、売買代金2位のソフトバンクグループ(9984)と5位のファナック(6954)は揃って2%前後の上昇と堅調でした。ソフトバンクグループは海外事業と国内事業を統括する中間持株会社を設立すると発表しています。また、昨日の大引け後に平成28年1月期決算を発表したピジョン(7956)は前期比13.6%の営業増益で着地し、増配予想も発表したことから5.5%の大幅高となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
円高進行が嫌気され日経平均は続落となりました。一時は340円あまり下落する場面がありましたが、下値では買いが入り後場に持ち直しました。原油安や中国不安など年初からの株安要因となった諸問題は、徐々に改善してきていますがドル円レートは113円前後の円高水準から抜けだせません。日本株が一段の戻りを試すには115円を超える円安が必要となりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は小幅続伸 ハンセン指数は続落

上海総合指数:2901.39(+4.05)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20037.24(-122.48)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に6日続伸しました。昨日までの5日間で8%近く上昇した上海総合指数は利益確定売りに押され、反落して始まりました。また、足元の深セン市をはじめとする一線都市(大都市)の不動産価格の急騰を受け、当局が近く大都市に対して不動産価格の抑制策を打ち出すとの観測が広がり、不動産株が軒並み大幅安となったことが相場の重石となりました。加えて、午前中に発表された中国の2月の貿易統計で、輸出と輸入がともに市場予想を下回って前月から伸び率が低下したこと受けて経済減速懸念が再び燻り、下げ幅を3%超安まで広げる展開となり一時節目の2,800ポイント近くまで下げる場面もありました。しかし、その後は創業板指数のプラス転換が好感されたほか、節目の2,800ポイントが下値のサポートとして意識されたこともあり、徐々に買い戻されると下げ幅を縮める展開となり、引けにかけてプラスに転じると節目の2,900ポイントを回復しました。結局上海総合指数は6日続伸で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で反落しています。昨日にフィッシャーFRB副議長がドルや原油価格が安定すればインフレ率が上昇に向かうとの認識を示したことで追加利上げ観測が広がり、ハンセン指数は続落して寄り付き、まもなく節目の2万ポイントを割り込みました。また、中国の冴えない貿易統計を受けて下げ幅を拡大し一時1.3%近くまで下落する場面もありました。その後は本土市場の持ち直しが好感され、値を戻すと2万ポイントを回復しマイナス圏での揉み合いとなっています。日本時間16時時点で、不動産株指数をはじめ、金融事業株指数や公益事業株指数、商工業株指数の4業種全てが下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、本土の金融株が軒並み軟調に推移しています。なかでもエイチエスビーシー (HSBC・00005)やコンストラクションバンク (中国建設銀行・00939)などの銀行株が下落しているほか、ピンアンインシュラ (平安保険・02318)やチャイナライフイン (中国人寿保険・02628)といった保険株も下げています。また、連日上昇したリソーシズランド (華潤置地・01109)やチャイナオーバーシー (中国海外発展・00688)などの不動産株も利益確定売りが膨らんでいます。

一方で、ディフェンシブ銘柄とされる小売のベレインターナショナル (百麗国際・01880)が3%近く上昇しているほか、食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)も2%超買われています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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