市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は冴えない中国の貿易統計や原油価格の反落で下落 日本市場は米国株安と円高で続落か

NYダウ: 16964.10  ▼109.85 (3/8)
NASDAQ: 4648.83  ▼59.43 (3/8)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は冴えない中国の貿易統計や原油価格の反落を嫌気して下落しました。欧州株安を受けて下げて始まったダウ平均は昼前に150ドル安余りまで売られると一旦下げ渋り切り返す展開となりましたが、前日終値近辺で上値を押さえられると再び下げ幅を広げました。結局ダウ平均は109ドル安の16,964ドルと節目の17,000ドルを割り込んで6日ぶりの反落となりました。また、S&P500株価指数も22ポイント安の1,979ポイントとこちらも6日ぶりの反落となり、前日に回復した節目の2,000ポイントを割り込んでいます。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は59ポイント安の4,648ポイントと続落となりました。

2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち7業種が下げ、なかでもエネルギーが4%を超える下落となったほか、素材も2%近い下げとなっています。一方で公益事業、生活必需品、電気通信サービスの3業種が上げています。

4.個別銘柄動向
中国の貿易統計の低迷を受けて中国での売上高比率が大きいキャタピラー(CAT)が4%を超える下げとなり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、原油価格の反落を受けてエクソンモービル(XOM)が安く、2017-2018年の投資計画を下方修正したシェブロン(CVX)も売られました。さらに電子書籍の価格つり上げを巡る問題で米最高裁が上訴を棄却したことでアップル(AAPL)が軟調となり、四半期決算と併せて発表した売上高見通しが市場予想に届かなかったハンバーガーチェーンのシェイクシャック(SHAK)が急落しています。一方で太陽光発電システムのサンエジソン(SUNE)が大幅高となっています。同業のビビント・ソーラー(VSLR)がサンエジソンへの身売りを取りやめたと発表したことで、買収に伴う財務負担懸念がなくなったことが好感されました。アパレル小売のアーバンアウトフィッターズ(URBN)も決算が好感され急伸となっています。

5.為替・金利等
長期金利は株安や原油安で安全資産の米国債が買われ0.07%低い1.83%となりました。こうしたなかドル円では円高が進み、朝方は112円台半ばでの推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円が円高となっていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。こうしたなか日中は昨日同様にドル円に神経質な展開となりそうで、一段と円高が進むようだと下げ幅を広げる場面もありそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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