マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
円高進行を嫌気し日経平均3日続落
日本株式市場
円高進行を嫌気し日経平均3日続落
1.概況
本日の日経平均は140円安の1万6642円と3日続落となりました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。米国市場の下落と112円台まで円高が進んだことを嫌気して、日経平均は157円安の1万6625円で寄り付きました。日経平均はその後下げ幅を広げると、上海市場が安く始まったこともあってか10時半過ぎに288円安の1万6494円と1万6500円の節目を割り込んで本日の安値をつけました。前場を267円安と安値圏で終えた日経平均は、後場に入ると徐々に値を戻しました。日経平均は1万6700円台を回復する場面もありましたが、その後再びやや下げ幅を広げて結局140円安で取引を終えました。業種別には情報通信業と水産・農林業の2業種のみが上昇、残る31業種は下落しました。中でも海運業は5.4%の大幅安となっています。東証1部の売買代金は2兆2806億円と11%強減少しました。
2.個別銘柄等
トヨタ自動車(7203)やソフトバンクグループ(9984)、メガバンク3行など売買代金上位の主力どころは幅広く下落しました。仮想通貨関連として連日大幅上昇を続けてきたマネーパートナーズグループ(8732)は、本日は25%近い大幅安となっています。一方、5%の大幅上昇となったNTT(9432)やともに2.8%上昇したNTTドコモ(9437)やKDDI(9433)など通信の一角は買われました。ディフェンシブセクターとして選好されたとみられます。セブン&アイホールディングス(3382)は2.4%高としっかりでした。相場の地合いからディフェンシブセクターが買われやすかったことに加えて、不採算店舗の閉鎖などの構造改革を進める姿勢が好感されたとみられます。
【VIEW POINT: 明日への視点】
円高進行などが嫌気され、日経平均は3日続落となりました。市場全体を見ても、景気敏感セクターが売られてディフェンシブセクターが堅調という先月の弱い地合いを思い出させる1日となりました。昨日の当欄でも記しましたが、ドル円が115円以上の円安とならないかぎり、日本株の一段の上昇はむずかしいと考えられます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は7日ぶり反落 ハンセン指数は3日続落
上海総合指数:2862.56(-38.83)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):19944.30(-67.28)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は7日ぶりに反落しました。昨日までの6日間で8%近く上昇したことから利益確定売りが先行し、節目の2,900ポイントを割り込んで始まった上海総合指数は、昨日の冴えない貿易統計を受けての国際商品市場の急落が嫌気されたほか、中国人民銀行による人民元の対ドルレートが5日ぶりに元高に設定されたことも重石となり、一時3%超下落する場面がありました。上海総合指数は後場に入ってもマイナス圏で推移しましたが、引けにかけて押し目買いが入り下げ幅を縮めてほぼ1日の高値で引けたものの、7日ぶりに反落しました。
<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で続落しています。前日の欧米株安と原油先物相場の下落を受けてハンセン指数は節目の20,000ポイントを割り込み続落して寄り付くと暫くして1%安近くまで売られました。その後は下げ幅を縮める場面もありましたが、本土市場の軟調が重石となったほか、10日のECB政策発表を控えて様子見ムードも強まり、軟調な推移が続いています。日本時間16時時点で、金融事業株指数が小幅に上昇している一方、不動産株指数、公益事業株指数、商工業株指数の3業種が下落しています。なかでも商工業株指数が1%を超える下げとなっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、昨日引け後にオーストラリア鉄鉱石事業の減損引当金15億-17億米ドルを計上すると発表したシティック (中信股フェン・00267)が大幅に下落しています。また、原油価格の反落からエネルギー株も軟調に推移しています。なかでも、シノック (中国海洋石油・00883)をはじめ、シェンホアエネルギー (神華能源・01088)やペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)が軒並み値下がりしています。さらに、中国当局が近く大都市に対して不動産価格の抑制策を打ち出すとの観測が引き続き嫌気され、不動産のリソーシズランド (華潤置地・01109)が続落しています。
一方で、キャセイパシフィック (キャセイ航空・00293)は好業績を受けて買いを集め、4%以上上昇しています。また、値嵩株のエイチエスビーシー (HSBC・00005)は70億ドルの手形を発行すると発表したことなどが好感され、2%以上値上がりしています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)