マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は原油価格の上昇を好感し小幅高 日本市場は円安もあり反発か
NYダウ: 17000.36 △36.26 (3/9)
NASDAQ: 4674.38 △25.55 (3/9)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は原油価格の上昇を好感して小幅に反発しました。前日の大幅下落の反動もあって上昇してスタートしたダウ平均は80ドル高余りまで上昇したところで伸び悩むと小幅にマイナスとなる場面もみられ、徐々に上値を切り下げる展開となりました。結局ダウ平均は36ドル高の17,000ドルちょうどで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も25ポイント高の4,674ポイントとなっています。
2.経済指標等
1月の卸売在庫高は前月比0.3%増となり減少を見込んでいた市場予想に反して増加しました。また、1月の卸売売上高は前月比1.3%減と4カ月連続で減少し市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち電気通信サービスを除く9業種が上げました。そのなかでもエネルギーと情報技術が1%以上の上昇となっています。
4.個別銘柄動向
目標株価の引き上げを受けてシェブロン(CVX)が4%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、自社株買いのペースを速めると発表した製薬のファイザー(PFE)も買われました。さらにヘッジファンドから取締役を迎えると発表し事業の立て直しが進むとの見方からカナダの製薬大手バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(VRX)が大幅高となったほか、空輸網の提供でアマゾン・ドット・コム(AMZN)と契約を結んだと発表したエア・トランスポート・サービス・グループ(ATSG)が急伸しました。有機栽培の原材料を増やす計画を明らかにした食品のゼネラル・ミルズ(GIS)も堅調となっています。一方で従業員がノロウイルスに感染し店舗を一時閉鎖したと伝わったメキシコ料理チェーンのチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)が大幅安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は株高や原油価格の上昇で安全資産の米国債に売りが出て0.04%高い1.87%となりました。ドル円は円安に振れ113円台前半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高に加え、ドル円が円安に振れていることから本日の日本市場は反発でのスタートが予想されます。今晩に追加の金融緩和が予想されているECB理事会の結果発表を控え様子見となりやすいなか、日経平均が昨日の下げを取り戻すような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)