市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均円安進行を好感し4日ぶりに反発 今夜はECB政策理事会での発表内容に注目

日本株式市場

日経平均円安進行を好感し4日ぶりに反発 今夜はECB政策理事会での発表内容に注目

1.概況
本日の日経平均は210円高の1万6852円と4日ぶりに反発しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場が上昇し、ドル円も113円台前半まで円安に戻したことを受け、日経平均は168円高の1万6811円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に70円高まで上げ幅を縮めましたが、9時半過ぎからドル円が徐々に円安に振れると日経平均も再び上げ幅を広げ、結局前場は163円高と寄り付きとほぼ同水準で引けました。ドル円が113円台後半まで円安に振れると後場に入って日経平均も上げ幅を広げ、13時半頃に本日の高値となる245円高の1万6887円をつけました。その後日経平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めましたがそのまま高値圏での大引けとなりました。業種別には不動産業と電気・ガス業を除く31業種が上昇しました。東証1部の売買代金は2兆431億円と昨日から1割ほど減少し、今年に入ってから最低となりました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップのトヨタ自動車(7203)は3%高と4日ぶりに反発しました。円安が好感され、スズキ(7269)が6%高、マツダ(7261)が4.4%高となるなど自動車各社は総じて堅調でした。また、売買代金2位のソフトバンクグループ(9984)は小幅に続落した一方、メガバンク3行は揃って上昇しています。大津地裁が高浜原発の運転差し止めを命じる決定をしたことが嫌気され、関西電力(9503)は15%近い大幅安となりました。今後他の原発でも同様の事態が起きることが懸念されてか、東京電力(9501)が2.1%安、九州電力(9508)が8%安、北海道電力(9509)が8.3%安となるなど電力会社は軒並み売られました。その他材料が出たところでは、サイバーエージェント(4751)が5%の大幅高となりました。外資系証券が業績予想を上方修正するとともに、目標株価を引き上げたことが好感されました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
今夜は欧州中央銀行(ECB)の政策理事会が開催されます。ドラギECB総裁は今回の会合での追加金融緩和決定を強く示唆しており、その発表内容に注目が集まっています。マイナス金利の拡大や買い入れ資産の増額などが予想されていますが、市場の予想を下回る内容であれば12月の会合時同様失望売りを招く可能性があり注意が必要でしょう。逆にポジティブ・サプライズとなれば世界的な株高となる可能性がありそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は大幅続落 ハンセン指数は小幅反発

上海総合指数:2804.73(-57.83)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20006.94(+10.68)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅続落となりました。北京、広州、深センの3都市で住宅ローン規制が強化されたことが嫌気され上海総合指数は下げてスタートしました。その後、上海総合指数は朝方発表された2月の消費者物価指数が前年比2.3%上昇と市場予想を大幅に上振れたことで過度の景気減速懸念がやや後退し持ち直したものの、前日終値近辺で上値を押さえられると再び下げ幅を広げる展開となりました。後場に入り下げ幅を縮める場面もみられましたが、引けにかけ一段安となり結局、上海総合指数は2%安で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で反発となっています。ハンセン指数は前日の欧米株高と原油価格の上昇を受けて節目の2万ポイントを回復して寄り付くと、一時1%高近くまで上昇する場面がありました。しかし、その後は本土市場の下落が嫌気され、上げ幅を縮める展開となっています。日本時間16時時点で不動産株指数が小幅に下落する一方で、金融事業株指数や公益事業株指数、商工業株指数の3業種が僅かに上昇しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、中国保険監督管理委員会が保険資金の運用制度の見直しに関する意見を求めていることで、資産運用見直しによる収益の向上が期待されAIAグループ (友邦保険・01299)などの保険株が買われています。また、原油価格の反発を受けてシノック (中国海洋石油・00883)やクンルンエネルギー (昆侖能源・00135)などが上昇しています。さらに、中国のCPIの上振れを受けて中国景気への過度な懸念が後退し商社のリーアンドフン (利豊・00494)が5%余り買われています。

一方で、オーストラリアでの鉄鉱石事業の減損が引き続き嫌気されシティック (中信股フェン・00267)が続落となっています。また、昨日に5%近く上昇したキャセイパシフィック (キャセイ航空・00293)が利益確定売りに押され3%余り下げています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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