マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均反落スタートも後場からプラスに転じ続伸 来週は日米の金融政策発表に注目
日本株式市場
日経平均反落スタートも後場からプラスに転じ続伸 来週は日米の金融政策発表に注目
1.概況
本日の日経平均は86円高の1万6938円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。昨日の米国市場はほぼ横ばいでしたが、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が今後の追加金融緩和に否定的な発言をしたことなどが嫌気され、日経平均は242円安の1万6610円と反落して寄り付きました。日経平均は1万6500円台まで下げ幅を広げる場面がありましたがその後は徐々に持ち直し結局前場は146円安で引けました。発表されたECBの緩和内容自体は市場予想を超えるポジティブ・サプライズだったことが徐々に評価されたのか、日経平均は後場寄りからさらに下げ幅を縮めるとまもなくプラスに転じました。日経平均はしばらく前日終値を挟んでもみ合いとなったあと、13時過ぎから一段高となり1万7000円の節目を回復する場面がありました。その後は上げ幅を縮めましたが、再びマイナスに転じることはなく続伸しての大引けとなりました。東証1部の売買代金はメジャーSQとあって膨らみ3兆883億円となっています。なお、日経平均先物・オプションの3月限SQ値は1万6586.95円でした。
2.個別銘柄等
業種別騰落率で1位となるなど、本日は銀行株の堅調さが目立ちました。東証1部の売買代金トップに入った三菱UFJ(8306)が3.5%高となったほか、三井住友(8316)が3.6%高、みずほ(8411)が2.5%高とそれぞれしっかりでした。その他の銀行ではりそなホールディングス(8308)と新生銀行(8303)がともに4.1%高とそれぞれ大きく上昇しました。材料が出たところでは、本日の13時に優先株の消却と26年ぶりの復配を発表した飛島建設(1805)が14%近い大幅高となりました。また、高島屋(8233)は国内証券が投資判断を中立に引き下げたことが嫌気され5.2%安と売られました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
ECBの追加金融緩和の内容はポジティブ・サプライズで当初ユーロ安や欧州株の上昇という好意的な反応が起きましたが、ドラギECB総裁が今後の追加金融緩和に否定的な発言を行ったことが嫌気されユーロ高が進み欧州株は下落、米国株はほぼ横ばいでした。来週はECBに続いて日米で金融政策を決定する会合が開かれます。14日、15日の2日間で日銀の金融政策決定会合、15日、16日の2日間でFRBの連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。どちらも金融政策の現状維持が予想されていますが、今後についてどのような見通しが示されるかが注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場とハンセン指数はともに反発
上海総合指数:2810.31(+5.58)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20155.54(+171.12)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反発しました。節目の2,800ポイントを割り込んでスタートした上海総合指数は一時1%安余りまで下げましたが、その後徐々に持ち直すと後場にはプラスに転じる場面もみられました。週末ということもあり薄商いの中で積極的な買いが限定的で上値が伸び悩むと再びマイナスとなりましたが、引けにかけて下げ幅を縮めると節目の2,800ポイントをなんとか回復して小幅高で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で反発となっています。ハンセン指数はさらなる利下げの必要性を否定したドラギECB総裁の発言を受けて続落して始まったものの、暫くしてプラスに転じると節目の2万ポイントを回復し上げ幅を広げ一時1%高余りまで買われました。その後は軟調な本土市場を受けて上値が伸び悩んでいるものの堅調な展開が続いています。日本時間16時時点で商工業株指数が1%超上昇しているほか、不動産株指数や金融事業株指数、公益事業株指数の3業種も上昇しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、世界最大の鉄道車両メーカーであるCRRC (中国中車・01766)が米シカゴ交通局から鉄道車両846台を受注したと発表したことで買いを集め8%超上昇しています。また、鉄道メーカーのレールウェイコンスト (中国鉄建・01186)やチャイナレールウェイ (中国中鉄・00390)などもつれ高となっています。本日決算発表を予定している地下鉄の運営を行うエムティーアール (MTR・00066)も好業績を期待する買いから堅調となっています。さらに2日間で大きく下落したシティック (中信股フェン・00267)が値ごろ感から買い戻され8%超値上がりしています。
一方で、小売りのベレインターナショナ (百麗国際・01880)が目標価格の引き下げを受けて売りが膨らみ8%近い下落となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)