マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は欧州株高と原油価格の反発で上昇 日経平均は17,000円台回復か
NYダウ: 17213.31 △218.18 (3/11)
NASDAQ: 4748.47 △86.31 (3/11)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は、欧州中央銀行(ECB)による追加の金融緩和が改めて見直されたことによる欧州株高や、国際エネルギー機関(IEA)による原油価格が底入れした可能性があるとの見解を受けての原油価格の反発を好感して大きく上げました。取引開始直後から大きく上げたダウ平均は、その後も大きく押すことなく堅調に推移すると218ドル高の17,213ドルと反発し高値圏で取引を終えています。また、S&P500株価指数は32ポイント高の2,022ポイントと3日続伸し節目の2,000ポイントを回復しています。この結果ダウ平均とS&P500株価指数は200日移動平均線を上回っています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も86ポイント高の4,748ポイントと反発しています。
2.経済指標等
2月の輸入物価指数は前月比0.3%低下し8カ月連続のマイナスとなったものの、市場予想は上回りました。また、輸出物価も前月比0.4%低下しましたが、こちらも市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は10業種全てが上げました。なかでも金融とエネルギーが2%を超える上昇となったほか、ヘルスケアも2%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はプロクター・アンド・ギャンブル(PG)とウォルマート・ストアーズ(WMT)を除く28銘柄が上げました。なかでもファイザー(PFE)が3%高となったほか、デュポン(DD)やユナイテッドヘルス・グループ(UNH)なども2%を超える上昇となっています。また、投資判断の引き上げを受けてシェブロン(CVX)も買われました。ダウ平均構成銘柄以外では追加の人員削減を発表した日用品のコルゲート・パルモリーブ(CL)が上げています。また、原油相場の上昇を受けてエネルギー関連のサウスウエスタン・エナジー(SWN)やデボン・エナジー(DVN)が急伸しています。さらにヤフー(YHOO)が北米アイスホッケーリーグと提携し試合を無料配信すると発表し大幅高となりました。一方で決算が減収減益だったスポーツ用品のズーミーズ(ZUMZ)が急落しました。
5.為替・金利等
長期金利は株高を受けて安全資産の米国債が売られ前日比0.05%高い1.98%となりました。ドル円は欧米の株高や原油価格の反発を受けて安全通貨とされる円が売られ円安となりました。朝方は113円台後半での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
欧米株高や円安を好感して本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の17,000円をしっかりと上回りそうで、17,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)