市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均欧米市場の堅調地合い受け3日続伸 今週は明日お昼発表の金融政策決定会合と現地時間16日発表のFOMCに注目

日本株式市場

日経平均欧米市場の堅調地合い受け3日続伸 今週は明日お昼発表の金融政策決定会合と現地時間16日発表のFOMCに注目

1.概況
本日の日経平均は294円高の1万7233円と3日続伸し、2月2日以来約1ヵ月半ぶりの高値を回復しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。欧州中央銀行(ECB)の追加金融緩和を改めて評価する動きが出て先週末の欧米市場の株価が上昇したことを受け、日経平均は216円高の1万7155円と1万7000円の節目を回復して寄り付きました。日経平均は寄り付きがほぼ本日の底値となると、9時半頃からほぼ一本調子の上昇で上げ幅を大きく拡大し、前場を352円高とほぼ本日の高値で取引を終えました。後場に入ると利益確定売りに押されたのか日経平均は一時230円高まで上げ幅を縮めましたが引けにかけて持ち直し、結局大きく上昇して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆620億円と今年に入って3番目に少なくなりました。業種別には保険業、銀行業、不動産業、海運業など金融や景気敏感セクターの上昇が目立ちました。なお、寄り付き前に発表された1月の機械受注は前月比15%増と、市場予想を大きく上回りました。

2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップに入った三菱UFJ(8306)は4.3%の大幅上昇となりました。同社について特段の材料が出たわけではありませんが、欧米の主要金融機関が上昇した流れを受けた買いが入ったと見られます。その他のメガバンク2行やソフトバンクグループ(9984)、ファーストリテイリング(9983)など売買代金8位の銘柄まですべて上昇しました。中でも売買代金4位に入ったペプチドリーム(4587)は10日に国内証券が目標株価を2倍近くまで引き上げたことが好感され、2日続けてのストップ高となりました。材料が出たところでは、先週末の大引け後に決算発表を行った東京ドーム(9681)が5.5%安と大幅に下落しました。2016年1月期の営業利益は前期比13%増で着地しましたが、今期の営業利益予想を18.3%減と減益見通しで発表したことが嫌気されました。また、今期の営業利益予想を400万円の黒字から5億円近い赤字に下方修正した介護用ロボットの開発などで知られる菊池製作所(3444)は8.6%安となっています。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は欧米の堅調な地合いを引き継いで大きく上昇しました。今週は、明日のお昼ごろに結果が発表される日銀の金融政策決定会合や現地時間15日と16日に行われる米国の連邦公開市場委員会(FOMC)が注目されます。どちらも今回の会合では金融政策の現状維持が決定される可能性が高いとみられますが、特にFOMCで今後の金融政策についてどのような見通しが示されるのかによって、マーケットのセンチメントに大きな影響がありそうです。また、米国の大部分の地域でサマータイム入りしたため、米国市場は今夜からこれまでより1時間早まって日本時間22時半に取引が開始され翌朝5時までの取引となります。経済指標の発表等も日本時間ベースでは発表時間が変更となりますのでご注意ください。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場とハンセン指数はともに大幅続伸

上海総合指数:2859.50(+49.19)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20420.95(+221.35)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅続伸となりました。先週末に中国証券監督管理委員会(証監会)の主席が記者会見で市場安定のために急落時に買い入れた株式について「売却はまだ考えていない」と述べたことに加え、新規株式公開(IPO)の登録制への移行について「時間がかかる」との認識を示したことも好感され、上海総合指数は上昇して寄り付きました。その後上げ幅を徐々に拡大し一時3%高近くまで上昇する場面もありましたが、後場に入ると上げ幅をやや縮め結局1.7%高で取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で大幅続伸となっています。先週末の欧米株高と原油価格の上昇に加え、証監会主席の発言も好感され上昇してスタートしたハンセン指数は寄り付き後しばらくして上げ幅を急速に広げ一時1.5%高超まで買われる場面もみられました。しかし、その後は本土市場の伸び悩みを受けて上げ幅をやや縮める展開となっています。日本時間16時時点で不動産株指数や金融事業株指数、商工業株指数、公益事業株指数の4業種全てが上昇し、なかでも不動産株指数が2%を超える上昇となっているほか、金融事業株指数も1%余り上げています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、中国複合企業最大手のシティック (中信股フェン・00267)傘下の住宅開発企業を買収すると発表した中国不動産開発大手のチャイナオーバーシー (中国海外発展・00688)が上昇しています。また、深セン市が運営する地下鉄企業から出資を受けた不動産最大手のチャイナバンカ (万科企業・02202)も11%超値上がりしています。さらに週末の証監会主席や中国人民銀行総裁の発言を受けて金融株が賑わっています。なかでもインダコマシャルバンク (中国工商銀行・01398)が2%超上げているほか、チャイナライフイン (中国人寿保険・02628)が3%近く上昇しています。

一方で小売りのベレインターナショナル (百麗国際・01880)は目標価格の引き下げが引き続き嫌気され4%近い下げとなっています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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