マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均116円安と4日ぶりに反落 日銀の金融政策現状維持受け下げ幅広げる
日本株式市場
日経平均116円安と4日ぶりに反落 日銀の金融政策現状維持受け下げ幅広げる
1.概況
本日の日経平均は116円安の1万7117円と反落しました。TOPIXやJPX日経400も下落した一方で新興市場のマザーズ指数は上昇しました。昨日の米国市場が高安まちまちでドル円レートも大きな動きがなく材料不足で、かつお昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えて様子見姿勢が広がり、日経平均は13円安の1万7219円で寄り付きました。寄り付き後も日銀の発表を控えて動きが出にくく、日経平均は前日終値を挟んで狭い値幅でもみ合いとなりました。前場を7円安とほぼ横ばいで引けた日経平均は、後場寄りは小幅にプラスとなりましたがまもなく日銀が金融政策の現状維持を発表するとドル円が円高に振れたこともあり徐々に下げ幅を広げました。日経平均は14時前に200円安近くまで下げ幅を広げた後は引けにかけてやや値を戻したものの結局4日ぶりの反落となりました。東証1部の売買代金は2兆1123億円と2%強増加しました。業種別には小売業や情報・通信業、電気・ガス業、医薬品などディフェンシブセクターを中心とした8業種が上昇しました。一方、保険業や鉱業など25業種が下落しています。
2.個別銘柄等
売買代金上位の主力銘柄は幅広い銘柄が下落しました。東証1部の売買代金トップの三菱UFJ(8306)やその他メガバンク2行、トヨタ自動車(7203)やファーストリテイリング(9983)などがいずれも下落しています。一方、NTT(9432)が0.1%高、KDDI(9433)が1%高、セブン&アイ・ホールディングス(3382)が1.3%高と通信や小売といったディフェンシブの一角が買われました。その他材料が出たところでは、2016年2月期の営業利益が前期比7%増と、29期連続で最高益を更新したもようと報じられたニトリホールディングス(9843)は、報じられた営業利益の水準が市場予想を下回ったことから0.8%安とやや売られました。また、衣料品販売のしまむら(8227)は外資系証券が投資判断を2段階引き下げたことを受け3.1%安となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日銀は大方の予想通り金融政策の現状維持を決定しました。日経平均は昨日まで3日続伸しており日銀の発表が利益確定売りの契機となったのか、その後下げ幅を広げました。このあとは現地時間16日(日本時間17日午前3時)に発表される連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が注目されます。明日の日本市場はFOMCの発表前とあって、様子見姿勢が強まる可能性もありそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は小幅続伸 ハンセン指数は反落
上海総合指数:2864.37(+4.87)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20313.62(-121.72)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に3日続伸となりました。大幅高の後で利益確定売りが出やすいなか、朝方に中国人民銀行による人民元の対ドルレートが元安に設定されたことが嫌気され下落して始まった上海総合指数は、さらに下げ幅を広げると後場に一時1.4%安近くまで売られる場面もありました。しかし、その後持ち直すと引けにかけてプラスに転じ結局、上海総合指数は小幅に上昇しほぼ横ばいで取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で反落しています。原油価格の下落に加え、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果や主要企業の決算発表を見極めたいとのムードもあり下落して寄り付いたハンセン指数は一時1%近く下げる場面もありましたが、本土市場の持ち直しを受けて下げ幅をやや縮める展開となっています。日本時間16時時点で不動産株指数や金融事業株指数、商工業株指数、公益事業株指数の4業種全てが下げ、なかでも商工業株指数は1%余りの下落となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)が冴えない決算を受けて大幅安となっています。また、原油価格の下落からシノック (中国海洋石油・00883)やシェンホアエネルギー (神華能源・01088)、ペトロチャイナ (中国石油天然気・00857)などエネルギー株が軒並み値下がりしています。さらに、昨日に大幅上昇となった不動産のチャイナバンカ (万科企業・02202)が利益確定売りに押され3%超下げています。値嵩株のテンセント (騰訊控股・00700)やチャイナモバイル (中国移動・00941)も軟調推移となっています。
一方でディフェンシブ株とされる小売のヘンガンインター (恒安国際・01044)が2%近い上昇となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)