市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場はFOMCの結果発表を控え様子見で小幅に高安まちまち 日本市場は円高で続落か

NYダウ: 17251.53  △22.40 (3/15)
NASDAQ: 4728.67  ▼21.61 (3/15)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は経済指標が強弱入り混じる結果となるなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え様子見となり小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は3日続伸となったものの、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は下落しました。欧州株安や原油価格の下落を受けて下げて始まったダウ平均は取引開始直後に110ドル安近くまで売られましたが、その後切り返し下げ幅を縮めると午後には前日終値を挟んで揉み合う展開となりました。結局ダウ平均は22ドル高の17,251ドルとなり、ほぼこの日の高値で取引を終えています。一方でS&P500株価指数は3ポイント安の2,015ポイントと続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も21ポイント安の4,728ポイントとなり3日ぶりの反落となっています。

2.経済指標等
2月の米小売売上高は前月比0.1%減となりましたが、市場予想は上回りました。しかし、1月が従来の前月比0.2%増から0.4%減へと下方修正され、この結果、米小売売上高は2カ月連続のマイナスとなっています。3月のニューヨーク連銀の製造業景況指数は0.62となりマイナスを見込んでいた市場予想を上回り改善しました。同指数がプラスとなったのは昨年7月以来8ヶ月ぶりです。2月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%低下し2カ月ぶりのマイナスで市場予想と一致しています。1月の米企業在庫は前月比0.1%増で横ばいを見込んだ市場予想を上回っています。企業売上高は前月比0.4%減でした。3月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は前月比横ばいの58となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうち情報技術や公益事業などの4業種が上げました。一方で6業種が下げ、ヘルスケアが1%を超える下落となったほか、素材も1%近く下げています。

4.個別銘柄動向
一部の証券会社が1-3月期のiPhoneの販売台数が強含むとの見方を示したことを好感してアップル(AAPL)が2%高となりました。この結果アップルはダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、1銘柄でダウ平均を14ドル余り押し上げています。また、決算は大幅減益だったものの売上高が市場予想を上回った靴専門の小売りチェーンのDSW(DSW)が大幅高となっています。一方で決算を発表し業績見通しを下方修正したカナダの製薬のバリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(VRX)が50%余り下げ暴落しています。さらに投資家向け説明会で1-3月期の業績についてやや慎重な見方を示したモルガン・スタンレー(MS)が安く、人員削減や英国への本社移転を発表した化粧品のエイボン・プロダクツ(AVP)は厳しい経営環境が改めて意識され大幅安となっています。

5.為替・金利等
長期金利はFOMCの結果発表を控え持ち高調整の売りが出て0.01%高い1.97%となりました。ドル円は冴えない米小売売上高を受けて一時112円60銭台まで円高が進む場面がみられました。朝方は113円10銭台での推移となっています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は小幅に高安まちまちで材料になりにくいものの、ドル円が円高に振れていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。日経平均は節目の17,000円を割り込みそうですが、今晩にFOMCの結果発表を控え様子見となりやすいなかで、5日移動平均線(昨日時点で16,956円)などをサポートに下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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