市況概況 - まとめ -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

日経平均続落し1万7000円割れ 今夜のFOMC発表に注目

日本株式市場

日経平均続落し1万7000円割れ 今夜のFOMC発表に注目

1.概況
本日の日経平均は142円安の1万6974円と続落しました。TOPIXやJPX日経400も続落したものの、新興市場のマザーズ指数は上昇し5日続伸となりました。昨日の米国市場は高安まちまちで支援材料となりにくいなかでドル円が113円10銭程度まで円高に振れたことを受け、日経平均は135円安の1万6981円と1万7000円の節目を割り込んで寄り付きました。寄り付き直後はやや下げ幅を広げた日経平均ですが、ドル円が113円半ばまで円安に戻したことを受け徐々に下げ幅を縮めるとまもなく1万7000円を回復し、一時は14円安まで値を戻す場面がありました。その後やや下げ幅を広げて65円安で前場を終えた日経平均は、後場寄りからさらに下げ幅を広げ寄り付きの水準まで下落しました。その後は1万7000円を挟んでのもみ合いといった格好となりましたが、結局1万7000円を割り込んでの大引けとなりました。東証1部の売買代金は1兆9118億円と今年に入って初めて活況の目安とされる2兆円を割り込みました。業種別には空運業、水産・農林業、食料品、その他金融業の4業種のみ小幅に上昇し残る29業種は下落しました。中でも黒田日銀総裁が今後のマイナス金利拡大の可能性を否定しなかったことから銀行株が売られ、銀行業は唯一3%を超える下落となりました。

2.個別銘柄等
黒田日銀総裁が衆院財務金融委員会で野党議員の質問に対し、マイナス金利の拡大余地は相当あるという趣旨の発言をしたことで改めて今後の収益悪化が意識され、銀行株が売られました。東証1部の売買代金トップの三菱UFJ(8306)は3.6%安と大きく下落し、その他のメガバンク2行もともに3%超下落しました。一方売買代金3位に入ったソニー(6758)は3.2%高としっかりでした。子会社のソニー・コンピュータエンタテインメントが、プレイステーション4専用バーチャルリアリティシステムを今年の10月から発売すると発表したことが材料視されました。材料が出たところでは、コンタクトレンズ開発のメニコン(7780)は国内証券が目標株価を引き上げたことが好感され6.3%の大幅高となりました。また、シャープ(6753)は鴻海精密工業が買収延期を検討していると報じられ、今後の不透明感が増したことが嫌気されて12%近い大幅下落となりました。

【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は横ばい近くまで値を戻すなど底堅さも見せましたが、結局1万7000円を割り込んでの大引けとなりました。どうにも頭の重いドル円レートが株価上昇の重石になっているとみられます。そのドル円レートに大きな影響をあたえるのが、今夜日本時間深夜3時に結果が発表される米国の連邦公開市場委員会(FOMC)です。今回の会合で利上げが行われる可能性はほぼないとみられていますが、今後の利上げペース等についてどのような示唆が行われるかによってドル円のトレンドに大きな影響がありそうです。米国経済に対しての強気な見通しが示され、今後の利上げペースが早まるとの思惑が高まればドル高が進む可能性もあります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)


中国株式市場

上海市場は小幅続伸 ハンセン指数は小幅続落

上海総合指数:2870.43(+6.06)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20211.29(-77.48)

1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に4日続伸となりました。朝方に中国人民銀行による人民元の対ドルレートが3日連続で元安に設定されたことに加え、本日閉幕となった全国人民代表大会(全人代)での李克強首相の記者会見を控えて様子見ムードもあり、上海総合指数は反落して寄り付くと昨日の終値の近辺でしばらく揉み合う展開となりました。後場には李克強首相が会見で経済成長目標の達成に自信を示したことや、香港市場と深セン市場の株式相互取引を年内に解禁する方針を示したことを受けて上げ幅をやや広げる場面がみられましたが、上値が伸び悩むなか結局、上海総合指数は小幅に上昇して取引を終えています。

<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で小幅に続落しています。買いが先行したハンセン指数は、李克強首相の会見を受けて大規模な財政出動への期待が後退したほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとのムードもあり、上値が伸び悩むとしばらくしてマイナスに転じました。後場には本土市場の上げ幅拡大を好感して昨日終値近辺まで下げ幅を縮める場面がありましたが、買いが続かず軟調な推移が続いています。日本時間16時時点で不動産株指数が小幅に上昇する一方で、金融事業株指数、商工業株指数、公益事業株指数の3業種が下落しています。

2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、2年連続での減益となった2015年12月期決算が引き続き嫌気され食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)が続落しています。また、李克強首相の会見を受けて大規模な財政出動への期待が後退したことから、鉄道関連のレールウェイコンスト (中国鉄建・01186)やCRRC (中国中車・01766)などが大きく下落しています。さらに、目標株価の引き下げを受けて不動産のチャイナオーバーシー (中国海外発展・00688)も売られています。

一方で、2015年12月期決算が増収増益だった中国保険大手のピンアンインシュラ (平安保険・02318)が小幅ながら上げています。また、チャイナモバイル (中国移動・00941)が決算への期待から買われています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)

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