マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均、円高進行を受け211円安と続落
日本株式市場
日経平均、円高進行を受け211円安と続落
1.概況
本日の日経平均は211円安の1万6724円と続落しました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが、新興市場のマザーズ指数は反発しました。昨日の米国市場は原油価格の上昇を好感して続伸しましたが、ドル円が111円台前半まで円高に振れたことを嫌気して日経平均は52円安と続落して寄り付きました。日経平均は寄り付き直後こそ15円安まで下げ幅を縮める底堅さを見せましたが、その後は徐々に下げ幅を広げました。ドル円が110円台まで円高が進んだこともあって日経平均は10時半過ぎに320円余りまで下げ幅を広げましたが、その後はやや持ち直しました。前場を217円安で終えた日経平均は後場に入ると安値圏でのもみ合いとなりました。ドル円がやや円安に戻したこともあって日経平均は14時半過ぎから下げ幅を縮めましたが、結局211円安で続落となりました。東証1部の売買代金は2兆4504億円と昨日から8%強増加しました。業種別には原油高を受け鉱業や石油石炭製品をはじめとした6業種が上昇しました。一方、2%を超える下落となった保険業や輸送用機器など残る27業種が下落しました。
2.個別銘柄等
円高進行を嫌気して自動車各社が売られました。トヨタ自動車(7203)が2.3%安となったほか、日産自動車(7201)は1.8%安、富士重工業(7270)とマツダ(7261)はともに3%を超える下落となっています。メガバンク3行も下落したほか、ソフトバンクグループ(9984)やNTT(9432)など売買代金上位銘柄の多くが下落しました。冴えない銘柄が目立つ中で売買代金6位に入ったソニー(6758)は0.4%の小幅高となりました。17日にリリースしたスマートフォン向けのアプリケーション「ミートモ」が調査会社の調査で国内無料ソーシャル・ネットワーキング分野のダウンロードランキングで首位となったと報じられた任天堂(7974)は、0.4%安と小幅な下げにとどまりました。また、同アプリを共同開発したディー・エヌ・エー(2432)は3.7%高と買われました。インターネット専業生保のライフネット生命保険(7157)は国内大手証券がレーティングを引き上げたことが好感され12.6%の大幅高となりました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
連邦公開市場委員会(FOMC)で今後の利上げペース鈍化が示唆されたことを受けたドル安の流れが継続し、円高・株安となりました。円高進行を受け外需関連業種を中心に来期の企業業績に不安が広がっているとみられます。円高加速の流れが止まらないかぎりしばらく日本株の上値は重いことを覚悟しておいたほうが良さそうです。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場とハンセン指数ともに続伸
上海総合指数:2955.15(+50.32)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20607.08(+103.27)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅に6日続伸となりました。中国人民銀行による人民元対ドルのレートが大幅に元高に設定されたことに加え、中国国家統計局が発表した2月の主要都市の新築販売用住宅価格(低所得層向けを除く)で70都市のうち47都市の住宅価格が前月より上昇したことが好感され、上海総合指数は買いが先行しました。また、創業板指数の大幅続伸も支援材料となり、上海総合指数は上げ幅を広げる展開となると、後場に入っても一段高となり一時2.3%高まで上昇する場面もありました。但し、その後は週末ということもあり、買いが続かず上げ幅をやや縮小し、結局上海総合指数は1.7%高で取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で続伸しています。昨日の米国株高と原油価格の上昇を受けて、大幅に上昇してスタートしたハンセン指数は、一時上げ幅を縮める場面がみられましたが、しばらくして買い戻されると上げ幅を徐々に広げる展開となり、後場に一時0.8%高超まで買われました。その後は上げ幅をやや縮めたものの、プラス圏での推移が続いています。日本時間16時時点で商工業株指数が1%超上昇しているほか、金融事業株指数も小幅に上昇しています。一方、不動産株指数と公益事業株指数は小幅に下落しています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、値嵩株のテンセント (騰訊控股・00700)は好決算を好感する買いが集まり、3%超上昇しています。また、2月の主要都市の不動産価格上昇が好感されたほか、2015年12月本決算が22%増益となったこともあり不動産のチャイナオーバーシー (中国海外発展・00688)が一時2%高まで上昇する場面がありましたがその後はほぼ横ばいとなっています。ピンアンインシュラ (平安保険・02318)は外資系のアナリストの相次いだ強気な投資判断を受けて続伸となっています。さらに、過度のリスクオフムードが後退していることもあり、カジノのギャラクシーエンター (銀河娯楽・00027)が7%超買われています。
一方で、2015年12月期の純利益が前期比4.6%減となったことや目標株価の引き下げなどが嫌気され、商社のリーアンドフン (利豊・00494)が大幅な下落となっています。また、クンルンエネルギー (昆侖能源・00135)も98%減益となったことが嫌気され3%超値下がりしています。さらに、配当への失望感が燻るなかCKプロパティ (長江地産・01113)も大幅安となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)