マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ダウ平均は8営業日ぶりに反落 日本市場は小動きでのスタートか
NYダウ: 17582.57 ▼41.30 (3/22)
NASDAQ: 4821.66 △12.79 (3/22)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は反落となったものの、ナスダック総合株価指数は続伸となりました。ベルギーのブリュッセルで起きた爆破テロを受けて下げて始まったダウ平均は80ドル安余りまで売られましたが、その後切り返すと徐々に下げ幅を縮め午後にはプラス圏で推移する場面もありました。しかし、引けにかけて再び売りが優勢となり結局41ドル安の17,582ドルと8営業日ぶりの反落で取引を終えています。また、S&P500株価指数も1ポイント安の2,049ポイントと5日ぶりの反落となっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は12ポイント高の4,821ポイントと5日続伸となっています。
2.経済指標等
3月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は51.4となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全10業種のうちヘルスケア、情報技術、素材の3業種が上げました。一方で生活必需品や電気通信サービス、公益事業などの7種が下げています。
4.個別銘柄動向
ベルギーでの爆破テロを受けてデルタ航空(DAL)やユナイテッド・コンチネンタル(UAL)、アメリカン航空(AAL)などの空運株が軟調でした。また、旅行需要が減るとの懸念からクルーズ運営のカーニバル(CCL)や旅行サイト運営のプライスライン・グループ(PCLN)なども売られました。さらに決算が市場予想に届かなかったうえ、業績見通しが慎重だった複数ブランドのライセンス生産を手掛けるG-3アパレル(GIII)や、2017年1月期通期の業績見通しが市場予想を下回ったマットレス大手のマットレス・ファーム(MFRM)が急落しています。一方で小型画面の新型iPhoneを発表したアップル(AAPL)が堅調となっています。
5.為替・金利等
長期金利は前日比0.03%高い1.94%となりました。ドル円はベルギーでの爆破テロを受けてリスク回避姿勢が強まり一時は111円50銭台まで円高が進む場面もありましたが、その後、欧州株が持ち直したことなどもあってリスク回避姿勢が後退したことで円売り・ドル買いの勢いが増し円安に振れました。朝方は112円30銭台での推移となっています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が高安まちまち、ドル円はやや円安と強弱材料が入り混じるなか本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日も日中はドル円の動向をにらみながらとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)