マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均小幅反落 明日は大幅下方修正発表の三井物産の値動きに注目
日本株式市場
日経平均小幅反落 明日は大幅下方修正発表の三井物産の値動きに注目
1.概況
本日の日経平均は47円安の1万7000円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400も下落しましたが、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数は上昇しました。昨日の米国市場は高安まちまちで支援材料になりにくく、ドル円も大きな値動きがなかったことから、日経平均は17円高と小動きで寄り付きました。日経平均は寄り付き後まもなく90円余りまで上げ幅を広げましたが、すぐに上げ幅を縮めると9時半過ぎにはマイナスに転じました。その後再びプラスに転じるなど日経平均は方向感に欠ける値動きとなりました。結局前場を6円安とほぼ横ばいで引けた日経平均は、後場に入ると一貫してマイナス圏での値動きとなりました。1万7000円を割り込んで推移する時間帯もありましたが引けにかけてやや値を戻し、1万7000円ちょうどでの大引けとなりました。東証1部の売買代金は1兆7399億円と今年に入ってから最低となりました。業種別には水産・農林業や電気・ガス業、小売業、陸運業など内需関連業種を中心に8業種が上昇、機械や鉱業など25業種が下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金トップのトヨタ自動車(7203)は0.1%高と小幅に続伸しました。売買代金2位の三菱UFJ(8306)やその他のメガバンク2行も下落しましたが、売買代金3位に入ったファーストリテイリング(9983)は3.1%高と堅調で、日経平均を43円引き上げました。その他材料が出たところでは、カジュアル服販売のジーンズメイト(7448)は昨日発表した2月21日から3月20日までの月次売上高が前年比11%増と大きく増加したことから今後の業績拡大期待が高まりストップ高となりました。一方、創業者を執行役から解任したと発表したクックパッド(2193)は、内紛が決着しておらず今後の不透明感が高まったと受け止められ、6.7%安と大きく下落しました。また、東映アニメーション(4816)は特別配当および記念配当を実施すると発表したことが好感され、4.2%高となっています。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は材料不足でやや重い値動きとなりました。しばらくはドル円の値動きをにらみながらの展開が続きそうです。本日の大引け後に三井物産(8031)が今期の当期利益予想を1900億円の黒字から700億円の赤字に下方修正すると発表しました。2月上旬にも第3四半期の決算発表と同時に下方修正を発表しており、1ヵ月半程度での再度の下方修正です。一過性の減損損失の発生が下方修正の理由ですが、明日のマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は小幅反発 ハンセン指数は続落
上海総合指数:3009.96(+10.60)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20572.38(-94.37)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は小幅に反発しました。材料に乏しいなか一日を通して昨日の終値を挟んで揉み合い方向感に欠ける展開となった上海総合指数ですが、結局小幅に上昇し節目の3,000ポイントをわずかに回復して取引を終えています。
<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で続落となっています。ベルギーのブリュッセルで起きた連続テロを受けて下落して寄り付いたハンセン指数は、しばらくして一時プラスに転じる場面がみられましたが、25日のグッドフライデーと28日のイースターマンデーの休場を控えて様子見ムードも強く、買いが続かず直ぐにマイナス圏に沈むと一時0.7%安まで売られました。その後下げ幅をやや縮める展開となっているものの、引き続き軟調な展開となっています。日本時間16時時点で金融事業株指数や不動産株指数など4業種全てが下げています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、ベルギーで起きた連続テロが嫌気され欧州の銀行最大手のエイチエスビーシー (HSBC・00005)が1%超売られているほか、キャセイパシフィック (キャセイ航空・00293)も軟調となっています。また、小売りのヘンガンインター (恒安国際・01044)は冴えない業績を受けて失望売りが膨らみ5%超下落しています。さらに、北京、上海、深センの不動産に対する融資規制が強化されるとの懸念が再燃したことでチャイナオーバーシーズランド (中国海外発展・0688)といった本土系の不動産株も下げています。
一方で、民営自動車メーカーであるジーリーオート (吉利汽車・00175)は投資判断の引き上げを受けて大幅に上昇しています。また、昨日に大きく下落したティンイー (康師傅・00322)は目標株価の引き下げにもかかわらず押し目が入り3%以上値上がりしています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)