マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均米国株安受け続落もマザーズ指数は4日続伸
日本株式市場
日経平均米国株安受け続落もマザーズ指数は4日続伸
1.概況
本日の日経平均は108円安の1万6892円と続落しました。TOPIXやJPX日経400も続落した一方で、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数は上昇しました。東証2部指数は3日続伸、マザーズ指数は4日続伸となりました。昨日の米国市場が原油安を嫌気して下落したことを受け、日経平均は21円安の1万6979円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に下げ幅を広げて160円安近くまで下落しましたが、まもなく切り返すと11時過ぎにプラスに転じ、結局22円高と小幅に高い前引けとなりました。日経平均は後場寄りから再びマイナスに転じると、その後は一貫してマイナス圏での推移となりました。安値圏でのもみ合いとなった日経平均は、引けにかけてやや下げ幅を広げ108円安での大引けとなりました。東証1部の売買代金は2兆1002億円と今年に入ってから最低だった昨日から20%あまり増加しました。業種別には水産・農林業、医薬品、食料品など昨日同様に内需関連業種を中心に11業種が上昇しました。
2.個別銘柄等
昨日業績予想を大幅に下方修正した三井物産(8031)が東証1部の売買代金トップの商いを伴って7.5%安と大幅に下落しました。また、本日の日経新聞朝刊で1000億円台の最終赤字になる見込みと報じられた三菱商事(8058)も売買代金8位に入って4%超下落しました。その他にも売買代金上位はトヨタ自動車(7203)やソフトバンクグループ(9984)など幅広い銘柄が売られました。中でも三菱UFJ(8306)は3.3%安、みずほ(8411)は3.6%安、三井住友(8316)は2.9%安とそれぞれ大きく下げました。材料が出たところでは、子会社が米連邦捜査局(FBI)のiPhoneのロック機能解除に協力していると報じられたことが好感され、サン電子(6736)がストップ高となりました。また、大手証券が目標株価を引き上げたバイオベンチャーのサンバイオ(4592)が11%超上昇しました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均は一時プラスに転じる場面もありましたが、結局じり安となり続落しました。ドル円の上値の重さが一段の上昇を妨げているとみられます。明日は寄り付き前に2月の全国消費者物価指数(CPI)が発表されます。日銀の追加金融緩和への思惑などもあり注目されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕)
中国株式市場
上海市場は大幅反落 ハンセン指数は大幅続落
上海総合指数:2960.97(-48.99)
香港のハンセン指数(日本時間16時時点):20315.22(-300.01)
1.概況
<中国本土市場>
上海総合指数は大幅反落となりました。原油をはじめとするコモディティ価格の下落に加え、大手証券の平安証券が本日から貸株取引を再開したことも嫌気され上海総合指数は節目の3,000ポイントを割り込んで大きく下落してスタートしました。その後、李克強中国首相がアジアフォーラムで「経済の長期的なファンダメンタルズは変わっていない」、「積極的な財政政策を実施する」と明言したことなどが好感され何度か3,000ポイント近辺まで持ち直す場面もみられましたが、節目の3,000ポイントを前に上値を押さえられると引けにかけて下げが加速し結局ほぼ安値引けとなりました。
<香港市場>
ハンセン指数は日本時間16時時点で大幅続落となっています。昨日の米国株安と原油価格の下落を受けて大きく下げて始まったハンセン指数は、一時下げ幅を縮める場面があったものの、明日からの連休を控えてポジション調整の売りが出て下げ幅を徐々に広げる展開となり、安値圏での推移となっています。日本時間16時時点で公益事業株指数が小幅に上昇する一方、金融事業株指数や不動産株指数、商工業株指数が1%を超える下落となっています。
2.個別銘柄動向等(香港マーケット、日本時間16時時点まで)
香港市場では、チャイナライフイン (中国人寿保険・02628)が大幅に下落しています。2015年12月期決算は増益となったものの、市場予想に届かなかったことが嫌気されています。また、ピンアンインシュラ (平安保険・2318)も連れ安となっています。さらに原油価格の下落からペトロチャイナ(中国石油天然気・00857)が5%超下落しているほか、シノック(中国海洋石油・00883)が3%以上値下がりするなど、エネルギー関連株が軒並み軟調に推移しています。不動産のリソーシズランド (華潤置地・01109)やチャイナオーバーシーズランド (中国海外発展・0688)なども中国当局の不動産に対する融資規制強化が引き続き懸念され軟調となっています。
一方で小売のティンイー (康師傅・00322)やヘンガンインター (恒安国際・01044)が買われるなどディフェンシブ銘柄の一角が堅調となっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川)